071 学校見学準備
球技大会も終え、やることは終わったと思ったら次なるイベントがやってきた。そう、来年度の新入生候補、つまり後輩たち候補への学校案内だ。
「麻萌カレンちゃんだっけ。あの子も来るの?」
「はい! 結衣さんとまた出会えることを楽しみにしていましたよ」
カレンちゃんは私のことを「お姉さま」と呼ぶ不思議ちゃんだ。それで吹雪さんのダイナマイトが爆発しかけたから危なっかしい。
「今回、くじ引きで当たった3人がA組代表として今度の土曜日に教室案内などをしますわ。では順番にくじを引いてくださる?」
有栖さんの指示に従い、くじを名簿番号順に引いていった。
まぁ当たってもいいかなくらいの温度感でいるから私に当たることはないだろう。うん、大丈夫大丈夫。
ほら、くじにもちゃんと赤い文字で○って書いてあるし。セーフって意味でしょ? これ。
「赤い丸がある人が案内係ですわ。よろしくお願いね」
「えっ!?」
こ、これが案内係って意味かよ! 紛らわしい……。
「わーい☆ 私も案内係だ〜♪」
こ、この反応……桃園さんも案内係になったようだな。あとの1人は……
「あら、わたくしのようね」
有栖さん!? なら安心だ……。
「よろしくね、結衣ちゃん、有栖ちゃん!」
盛り上がりを見せることになるかもしれないな。どれだけ来るかわからないけど……。
そして放課後に3人で会議室へ向かい、各クラス代表3人計27人と対面した。いや、正確にはさらに3人いる。おそらく生徒会と呼ばれる人たちだ。
「生徒会長の大和だ。今から君たちには担当するエリアを覚えてもらう。資料2ページ目だ」
生徒会長の大和先輩は威厳ある人で、どことなく系統は有栖さんと同じような感じだ。
さて2ページ目は……おぉ、私たちは1年生教室案内か。C組とやるんだな。
「C組の皆さんよろしく。わたくしは代表の御陵院ですわ」
「……代表というわけではないけど、一応私が。神舌あやか。よろしくお願いします」
白くて長い美しい髪を持った美少女と握手をする有栖さん。C組にはあんな子がいたのか。
ちょっと資料を先読みしたけどあんまり難しそうなことはやらなさそうだな。まぁ1年だから当然かもしれないけど。
「はぁ……めんど」
隣からボソッと聞こえたのは無視することとする。
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