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063 恋色の噂

 文化祭を翌日に控えた今日。1年生クラスの廊下はどこか浮き足立っていた。


「おはようエレナ。何このそわそわ空間」

「おはようございます結衣さん。どうやら噂が広まっているらしくて……」

「噂?」

「はい。金楼の文化祭……金楼祭ではある条件を満たすと少女たちが結ばれるという噂です」


 何それ。オカルト? でもまぁ女子って好きだよね、そういうスピリチュアルな話。私はあんまり信じるタイプではないけど。


「ふーん。先輩から聞いて広まった感じかな?」

「そのようですね。皆さん楽しそうです」

「それで? その条件っていうのは?」

「1つじゃないんですよ。まず手を繋ぐこと」


 ふむ……なんか王道だな。というか手を繋いだらその時点でもうフラグ立っているのでは?

 そんな野暮なことは口に出さずに我慢した。


「次に間接キスをすること」


 直接ではなく間接か。まぁハードルは優しめだ。やるもんではないけど。


「そして最後に……」

「最後に?」

「金色の何かをプレゼントすること。これが金楼祭での噂です」


 なるほど……金色ねぇ。ハードル高くない? それ。


「それ実現する人いるの?」

「いるんじゃないですか? だってロマンチックですもん……運命に導かれ繋がる乙女たち。たまらないですよね?」

「私はそういうの信じるタイプじゃないしなぁ。信じそうな子に教えてあげたら?」

「……A組の皆さん、信じないようなタイプの方の方が多そうじゃないですか?」


 …………確かに。今めっちゃ納得したわ。有栖さんを筆頭に吹雪さんや柚子さん、三国さんに素の桃園さんあたりも信じそうにない。

 なんか乙女な子が足りないなぁうちのクラス。私が言うのも変なんだけどさ。


「ともかくロマンチックなことに変わりはありません。ですので結衣さん、この噂が本当か確かめるために、明日は手を繋いで間接キスして金色のものをプレゼントしましょう!」

「却下」

「なんでですかぁ!!」


 そんなガツガツ来られると引いてしまうわ。

 それにしても本当に他のクラスの子たちは浮き足立っているなぁ。

 明日は四方八方で百合の花が咲いているかもしれない。それを愛でるのはまぁ……良いものだ。私は空気になって漂っていよう。


 恋とフラグと真相渦巻く文化祭、開幕!

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