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058 海遊び

 BBQが終わった後は海へ遊びに行く派と、別荘でのんびり派に分かれることになった。個人的には別荘がいいんだけど、エレナに強引に連れられて海に行くことになってしまう。まぁいいけど。


「あれ? そういえば水着は……」

「別荘内にありますわ。お好きなのをどうぞ」


 なんでもあるな。じゃあお言葉に甘えてレンタルさせてもらおう。私は自分のサイズに合う水玉のビキニを選んで着替え室へ向かった。

 どうやら海に行くのは私とエレナと吹雪さん、海咲さんに桃園さんの5人らしい。ちょうど半々に別れたな。



「おっしゃ行くぞ〜! ふぅ〜⤴︎」

「イェーイ!」


 テンション上がりまくりの吹雪さんと海咲さんは一目散に駆け出して海へダイブしていった。

 それにしても……吹雪さんは黒のビキニでかなり攻めている気がする。元々スタイルがいいからモデルみたいだ。


「エレナもやっぱり肌綺麗だね」

「え、えっ!? そんな突然誉められましても……」

「あぁ別に下心とかじゃないんだけどね。ただの感想」

「そ、そうですか……火照りを冷ますために海に飛び込んできます!」

「ええ!?」


 吹雪さんたちに続いてエレナも海にダイブしてしまった。エレナはいいなぁ、出るとこ出てて。

 そして残された私と桃園さんは……


「……なに?」

「あ、いやなんでも」

「どうせ同類だとか思ったんでしょ」

「うっ……」

「私はちっぱいのが好き。慎見さんは?」

「いやどっちでも……」

「目がいくのは?」

「……大きい方です」

「ふん」


 素の桃園さんは不機嫌そうに鼻を鳴らした。そう、お察しの通り桃園さんも私と同じく平たい胸族だ。

 別に胸で人の価値が決まるわけじゃないと思うんだけどなぁ。


「おーーい! 結衣ちゃんも桃園さんも早く来いよ〜!」

「は〜い♪ すぐ行くね〜!」


 うおっ、豹変したからビックリした!

 桃園さんは海に負けないにっこり笑顔で飛び出していった。私もここにいてはもったいないと思い、ようやく海に入っていった。ひんやりとした水が体を包み、心地よい。


「結衣ちゃん結衣ちゃん、アタシ魚捕まえたい!」

「ん〜、こういう海って魚獲れるのかな」

「確かに。よく見たら魚さん泳いでいないや」

「魚は諦めた方がいいかもね」

「ははっ、そうかも」

「おりゃ! 隙ありー!」


 バシャっと吹雪さんに水をかけられてしまった。ここで私の負けず嫌いが発揮される。


「やったなぁぁ!」


 両手で大量の水をすくい上げ、大きな波にして吹雪さんに返してやった。

 吹雪さんだけには収まらず、その影響はエレナや桃園さんにまで渡ってしまう。

 いつのまにか5人全員で水かけ合戦が始まり、数十分後にはへとへとになって別荘に引き上げた。

 あ〜〜〜、めっちゃ満足感ある疲れ。最高かも。

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