034 班決め!
ゴールデンウィークも明け、学校に行く日々が戻ってきた。
ここからは6月頭のテストまで何もない……わけではなく、学校行事として1泊2日の宿泊学習があるらしい。
1年生は京都と奈良に行くらしく、宿泊学習というよりは修学旅行並みの規模だ。さすが金楼。
「宿泊学習ですか〜、楽しみですね」
「そうだね。京都なんて初めてだよ」
「あら? 小学校の修学旅行で行きませんでしたか?」
「みんなは行ってたけど、私は貧乏で旅費が払えなかったから」
みんなが修学旅行に行く中、一人で自習していたあの日は辛かった。でもお嬢さまとやらのお陰で今回は京都に行ける! 失った青春を取り戻すんだ!
「と、ところで結衣さん。宿泊学習では10名のクラスメイトの中で3・3・4の班分けをするんですよね? もうどなたと班になるか決められましたか?」
「いや全然決まってな……」
「では私と! 私と班になるのはいかがでしょう!」
めっちゃ食い気味にきた。
友達ができなかった私に、ここまで熱心にきてくれる子ができたのは嬉しいことだ。
ただ……
「い〜や、結衣ちゃんと班になるのは僕だね」
「あら、私も立候補してよろしいですか?」
「なんか楽しそう! あたしもあたしも!」
「わ、私もいいですか? 話せる人がいないと不安で……」
「え〜? 私も立候補するよ〜☆」
ここまで多いと困ってしまうな。モテ期かよってレベルで立候補してくれるのはありがたいが、そんなに私は魅力的だろうか。
立候補したのはエレナ、吹雪さん、天月さん、海咲さん、神村さん、桃園さん。
この中から最大で3人まで選べるわけか。なんとも偉い立場になったものだ。
「私ですよね? ね? 結衣さん、ね?」
「僕だよな〜? 結衣ちゃん」
「私を選んでください!」
「あたしは? あたしだよね?」
「で、できれば私のことも考えていただけると……」
「はいはーーい! 私私!」
わっちゃわちゃしとる。
助けて〜という目線をクラス委員長である有栖さんに送った。するとすぐに意図を汲み取ってくれたのか、はぁと小さなため息を吐いてから有栖さんは立ち上がる。
「慎見結衣さんと班を組みたいとおっしゃる方がたくさんいるのは承知しましたわ。それでは提案なのだけれど、ここは平等にくじ引きをするのはいかがかしら? 話し合いで解決できるような面々には見えませんしね」
6人で3席を取り合うわけだ。くじ引きなら50%。みんな乗るだろうか。
みんなが悩んでいる間に、有栖さんが耳打ちしてきた。
「組みたい方がいらっしゃったら言いなさい。仕組んであげるわ」
「い、いえ。結構です……」
どうやって仕組むんだろう。でも普通にやってのけそうだから、有栖さん怖い。
協議の結果、くじ引きで賛成ということになった。平等に有栖さんが○と×を記したくじを3枚ずつ作り、箱状のものに入れる。
全員睨みを効かせながら、くじを順番に引いていった。
6人が6枚のくじを持つ。いつの間にか注目度は高まり、三国さんや柚子さんまでも凝視している。
「さぁ……見ましょうか。運命のくじを!」
一斉にバッ! とくじを開いてみせた。
最初にぱぁぁっ! と顔が明るくなったのは……桃園さん!
「やった〜☆ 結衣ちゃんよろしくね☆」
「う、うん。よろしく……」
裏表ガールと同じ班になったか。まぁぶっちゃけ素の桃園さんの方が話しやすいんだよなぁ。陽キャ感薄くて。
次にガッツポーズをしたのは……吹雪さんだった。
「よっし! よろしくな、結衣ちゃん」
「うん。よろしくね吹雪さん」
そして最後に喜びの声を上げたのは……あれ? 上がらないぞ?
エレナは……目が死んでる! こわ!
天月さんは……落ち込んでいるな。
海咲さんは……ショックそうだ。ってことはつまり!
「もしかして、神村さん?」
「は、はい。僭越ながら……当たってしまいました」
謙虚そうに○がついた紙を見せる神村さん。
神村さん、桃園さん、吹雪さん。私の宿泊学習の班員が決定したのでした。
明日の更新はお休みさせていただきます。




