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さらば我が友、多田乃盆迅

「ああ、奴は何処かへ消えたよ」


「そう、か…まあこれで思い残すこともない…」



アラン・スミシーからの回答に多田乃は納得したのか少し笑みを浮かべた。多田乃の顔にヒビが入り始める。どうやら多田乃盆迅(ただのぼんじん)でいられるのも此処までようである。



「アラン・スミシー…いやロザリア。そろそろお別れのようだ…」



多田乃は弱々しい声でアラン・スミシーことロザリアに語りかける。ロザリアは何も言わず多田乃を抱き上げて顔を近づけると静かに口付けをした。



「名残惜しいが、また来世で会おう多田乃君」


「…ああ、さらばだ。その時は多田乃じゃないだろうけど…」


「しばしのお別れだ、わが愛しき人よ…」



多田乃が喋り終わると残りの体も全て白く結晶化し、アラン・スミシーの腕の中で砕け散った。欠片も全て塵となり、多田乃盆迅(ただのぼんじん)は完全に消滅した。


アラン・スミシーは多田乃を見送るとゆっくり立ち上がり、再び黒猫の姿に戻った。



「終わったのか?」



ビルの向こうから四天王寺がゆっくりとアラン・スミシーに寄っていく。アラン・スミシーは四天王寺の方を向くと静かに頷いた。



「何かよく分からんが、結局奴は逃げたってことなのか?」


「そういうことになるね」


「多田乃は?」


「彼は…先程行ってしまったよ」



アラン・スミシーの表情で察したのか四天王寺は一言「そうか…」とだけ静かに返した。



「さてそろそろ私もいくとしよう」


「あんたも此処を去るのか?」


「もう多田乃君は此処にいない。私も彼の後を追おうと思う」


「…本当に一途だな」


「四天王寺君はどうするんだ?」


「俺は…まだ此処に残るよ。来世にいくのはもう少し此処を満喫してからにする。もう俺も異世界転生討伐代行者(チートバスター)ではないし、何者にも縛られないからな」


「わかった…お別れだ、四天王寺君」



アラン・スミシーが背中の羽を広げた。四天王寺は道路の真ん中に来て、去り行くアラン・スミシーを見送る。



「おい、そういえばこの世界の「神」はどうなるんだ?」


「ああ…それなら心配いらない。新たな「神」は私が呼んだ神野市長が勤めてくれるはずだ。依代よりもイレギュラーや異世界転生者(チート)に寛容だから大丈夫だろう」


「全く仕事が早いな」



四天王寺が苦笑すると、アラン・スミシーは遥か上空に飛び上がった。そして空の彼方に消え、何処へと旅立った。



………完………

これにて完結です。

設定や展開がガバカバだった拙作でしたが、最後までご愛読いただき、ありがとうございました。

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