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「神」対「凡人」 その3

多田乃は無意識に「神具」を操っていたのか、自分でも依代にダメージを与えられたのが不思議な様子だった。どうやら依代のいう「常識の壁」というやつを越えてきたらしい。



「正直自分でも理解できてないんだ…どうやってあんな攻撃を繰り出せたか何てね」


「ククク…「凡人」が「神具」を完全に我が物にするか…「神」の領域に片足を突っ込むとはな。全く傑作だ」


「さっきから何を訳の分からないことをいっている?」


「まだ理解が追い付いてないようだが、一つだけ確実なことがある」



そういうと依代はボウガンを仕舞って多田乃に一気に接近した。そして驚く多田乃の顔を覗き込むと邪悪な笑みを見せた。



「貴様の雇い主はこの私だ」


「は…!?」


「貴様の信じる「神」って奴だよ」


「な、な、な、何をいってる!!!!?お、お前はこの世界の侵略しにきたイレギュラーのはずだ!!」



多田乃は声を荒げて依代の言葉を否定する。だが、依代は余裕の姿勢を崩さない。



「誰の情報だ?それは?ひょっとしてあの黒猫の言い分か?」


「そ、それは…」



多田乃がいいよどむ。依代は畳み掛けるように多田乃を揺さぶる。



「ではさっきの疑問に答えてやろう。何故私が脇屋と貴様の戦いを知っていたか」



そういうと依代は自分の体を光らせると粒子となって形状を変え始めた。光に多田乃は目をくらませる。すると依代の姿が全く違う人間に変わった。



「この姿に見覚えがあるかな?」


「あ、あんたは…伊能…継夜…??」



多田乃の目の前に可憐な女子高生が現れた。それは多田乃と脇屋の戦いのときにすぐ近くにいた伊能継夜(いのままよ)その人だった。


まさかあの時の女子高生が依代だったとは…ショックのあまり多田乃の額に脂汗が滲む。



「近くで戦いを拝見させてもらったよ。中々の余興だった」


「バカな…何故そんな真似を…?」


「私がこの姿になってまで貴様に接触しようとした理由は一つだ」



伊能もとい依代は多田乃の後方を振り返るとボウガンを再び取り出し、発射した。その先にいたのは…



「私の狙いは貴様を炙り出すことだ。アラン・スミシー」



矢を向けられたアラン・スミシーは瞬時に戦闘態勢に変化すると鎌で弾き返した。

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