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合流

羽根を破壊されたアラン・スミシーは四天王寺ともつれながらビルの屋上から地面へと落下していく。慌ててアラン・スミシーが四天王寺に向けて叫ぶ。



「四天王寺君!バンドを捻ろ!」


「ダメだ、片腕が結晶化してうまくバンドを回せない!」


「…万事休す、か」



アラン・スミシーが覚悟を決めたとき、突然二人の落下速度が緩やかになってきた。二人は思わず顔を見合わせる。



「四天王寺君、君がやったのか?」


「いや…この通り片腕しか使えないんだが…」



ゆっくりと落下しながら二人は首を傾げた。では一体誰が…アラン・スミシーが気になって周囲を見回した。



「多田乃君!!」



アラン・スミシーは視線の先にいる人影を見て叫んだ。



………………………



多田乃はブラックホールの方向へと駆け出すと人影が市庁舎の向かいにあるビルの屋上に降り立ったのが見えた。あの屋上に何かがいる。嫌な胸騒ぎを覚えつつ、多田乃はひたすら走り続ける。


が、爆発で相当吹き飛ばされたのか中々目当てのビルに着かない。死んでいるせいもあるのか、息切れはしない。とは言うものの結構な距離を走らされている。


ようやくビルの入り口にたどり着いたとき、ふと上空を見上げると屋上から何かが落ちてくるのに気づいた。よくは分からないが、人影と小動物のようにも見える。



「まずい!」



多田乃は条件反射的に右腕のバンドを捻った。すると落下してくる二つの影の動きが急速に緩やかになった。どうやら助かったようだ。が、しかし…



「あれは…アラン・スミシー…??と、誰だ?」



多田乃は二つの影の正体を探る。と、小動物の影から多田乃を呼ぶ声が聞こえた。やはり小動物の影はアラン・スミシーだったようだ。多田乃は二つの影の落下点に駆け寄る。



「ありがとう、多田乃君。助かったよ…」


「一体どうしたんだ?このビルの屋上にブラックホールが現れたから急いで来てみたんだが、そしたらいきなりあんたらが降ってきて…よく状況が掴めないんだ」


「敵にやられたよ。相手は想像以上の手練だ」


「敵…」


「依代って奴の仕業だ」



横からの声に反応した多田乃がアラン・スミシーの脇にしゃがむ四天王寺に目をやる。四天王寺は両足と片腕が結晶化しており、体の自由が利かない状態である。四天王寺は苦悶の表情を浮かべて多田乃を見つめる。多田乃は溜め息を付いて四天王寺の元に近づいた。



「ところで市庁舎のときはよくもやってくれたな。本当にダメかと思ったぜ…」


「あん時は悪かったよ…まさかこんな事態になるとは思わなかったんだ」



四天王寺は多田乃に渋々謝罪する。と、多田乃はバンドを叩いて鎌を取り出すと、四天王寺の結晶化した体の一部を迷うことなく切断した。突然のことに二人は驚愕する。



「な、な、何をしやがる!!?」


「多田乃君!!血迷ったか!?」


「落ち着け、二人共」



多田乃は興奮する二人を宥めた。すると切断した四天王寺の体の一部が瞬時に硬化して粉々に砕けた。



「…結晶化したところは早いとこ手を打たないと体全体に及んでしまう。そうなったらもう助からない。やむを得ない処置なんだ。それに此処は死者の世界。いずれは元に戻るんだろう?」



多田乃はアラン・スミシーをチラリと見た。アラン・スミシーは頭を掻いて苦笑する。四天王寺は未だ不服そうに多田乃を睨んだ。


そうこうしている内に三人の前に上空のブラックホールの中から雷が降ってきた。三人が閃光に目を細めていると、雷は人影となりやがて男の姿となった。



「よ・り・し・ろ…!」



多田乃が男に向かって叫んだ。依代と呼ばれた影は三人の姿を見て不気味に笑った。

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