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第11章 預言者

 アンリ・ペネクスは極寒の中、息を切らせ、「ドームふじ」から逃げ出してきた。


 手には斧を振り下ろし、片山教授の肩に食い込んだ返り血を浴びていたが、次第にそれらは凍り付き、パラパラと落ちていった。もはや持っていてもしようがないので、殺害に使った氷斧を何度も捨てようかと思ったが、追っ手がかかっている可能性もある。


 そうして海岸線まで来たとき、バリバリと氷床を突き破って、眼前に、巨大な十字架が、水平線近くを彷徨う太陽を背にして現れるのを見た。にび色の金属製のドーム中央から、上空へ向かって突き出した艦橋と水平翼は、まるで後光が射した十字架に見えた。


 突如として、アンリの目の前に、原子力潜水艦が浮上したのだ。そしてそこから、一人の老紳士が降りてきた。肌の色は白いが、欧米人なのか、アジア人なのか、人種はまるでわからない。


「アンリ・ペネクスだね? 乗りたまえ」


 彼は流暢な英語で言った。


 彼は神か、預言者なのだろうか。聞きたいことは山ほどあって、ようやく口をついて出た質問は、

「それは神のご意思ですか?」というものだった。


 彼は、一言「そうだ」と言った。

「第12章 マルチバース——多元宇宙」へ続きます。

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