スイングトップ!!
竜太の彼女が入院していると聞き、響たちはお見舞いしに行くことに!
すぐに打ち解け、病室が皆の溜まり場になっていく。
皆の優しさと明るさに聡美は・・・
「ももか~!チームのスイングトップ作りたいんだけどよ!」
「良いね!刺繍でしょう?オッケー任せといて!」
「いつも、悪いな!」
「大丈夫大丈夫!刺繍マシーン!卒ラン作るときに買ってるから、刺繍だってバッチリ作れるよ!」
「男が白いスイングトップで、女が赤いのにしようかなって思ってんだけど!」
「どうかな?」
「私達も紫煙のスイングトップ作って良いの?」
「当たり前だろ?俺達皆で紫煙だからよ!」
「やった~!超テンション上がる!!」
「一応デザインはこんな感じにしようかな?って思ってるんだけど、どうよ?」
「うん!背中格好良いね!」
「腕に皆の名前ローマ字で斜めに入れるんだ?うん!とっても格好良いね!」
「そうそう!それで名前の所、女の子だけハートマーク最後に付けんだよ!どう?」
「可愛い!そうそう!女子は可愛いさ入れたいんだよね!」
「分かった!こんな感じで刺繍のイメージプリントアウトしてくるね!それで、皆がオッケーだったら、それで、刺繍するね!」
「サンキュー、じゃあ俺はスイングトップ注文しちゃうか?」
「注文する前に皆にライン流しておくね!」
「サンキュー!」
「ちょっくら、トイレ行ってくるわ!」
響がトイレに歩いて行くと、前に竜太が!
「竜太、もう帰りか?どっか流して帰るか?」
「響ちゃん!悪い!今日は病院行かないといけないんだよ!」
「病院?どっか悪いんか?」
「実はさあ!誰にも言ってないんだけど、彼女が入院してるんだよね!」
「マジで?どこが悪いん?」
「俺も良くは分かんないんだけど、紫外線受けるとアレルギーが出ちゃうらしくて、入院して、アレルギー反応しにくい治療してるらしいんだよね!」
「治療しても、どこまで完治するか分かんないし、日差し強いときはやっぱりアレルギーは出ちゃうんじゃないかとは思うんだけど、俺のバイクに乗って、一緒に出かけたいんだってよ!」
「だから、入院して治療頑張ってるんだよね!だから、ちょくちょく見舞いに行ってるんだよ!」
「そうなんか?どこの病院?俺にも紹介しろよ?」
「まあ、俺らみたいのが全員で、病院行ったら、流石に追いかえされるかも知んないけどよ!」
「病院は海浜病院だけど!そのうち会わせるよ!」
「おー分かった!そうだ、竜太、スイングトップ作っから、ももかが刺繍してくれっから、ジャケット代だけで、一万で作れっかな!」
「分かった!金用意しておくよ!」
響は教室に戻ってきた。
「ももか、麗とりおなまだ戻って来ない?音楽室まで先生の手伝いで行ったきり?」
「まだ戻って来ないよ!」
「今、竜太と廊下で会ってよ、彼女が入院してるらしいんだよ!何でも紫外線受けるとアレルギー出ちゃうみたいで。でも、竜太とバイク乗りたいから、入院して治してるんだってよ!」
「そうなんだ?竜太君格好いいのに、女の子の話とか一切しなかったから、なかなか聞きづらかったんだよね!」
「そうそう!で海浜病院らしんだよ!見舞い行ってみない?と思ってよ?」
「で、竜太と彼女に内緒でよ、彼女用の紫煙のスイングトップ作ってやんない?」
「昼間走らなくても、夜ならつるんで、走れんだろ?」
「響ちゃんて本当に優しいよね?うん!麗達戻って来たら、見舞いに行ってみる?その感じだと、竜太君今日見舞いに行ってるんでしょ?」
「流石、ももか鋭いね!竜太が行ってれば彼女の部屋もわかんだろう?」
麗とりおなが戻ってきた。
「響ちゃん、待たせちゃってごめんね!」
「おーりおなお疲れ!全然待ってないよ!」
「よし、帰るか?帰りに海浜病院寄ってくからよ!」
「病院?響ちゃんどうしたん?」
「竜太の彼女が入院してんだってよ!」
「見舞い行こうかと思ってよ!」
「そうなんだ?よし、行ってみよう!」
四人で竜太の彼女のお見舞いに海浜病院へ。
「おっ竜太のCBX発見!」
「ナースセンターでどこの部屋か聞いてみようか?」
四人はナースセンターへ
「すいません!見舞いに来たんですけど、なんか173センチ位の身長で、ちょっと男前でシュットした顔してて、トッポイ感じのリーゼントして、学ランでくる男が見舞いに来る部屋なんですけど?」
「へ?ちょっと言ってる意味が分からないんだけど!」
看護婦さんに突っ込まれてしまう。
「あーあー!聡美ちゃんの部屋かな?紫外線の治療で入院してる?」
「そーそーそー!お姉さん正解!」
「それなら、そこのエレベーターで五階にいって、左に行った突き当たりの部屋だよ!」
「ありがとう!」
「うっしゃ!行こうぜ!」
そして、部屋の前に着いた。
ガラガラ
「チィース!」
「聡美ちゃん居る~?」
「はっはい!」
「うぉー!!お前ら何してんだよ?」
竜太がマジびびる。
「はっはっはっは~!!」
「何ってお見舞いだけど!何か?」
「聡美ちゃん!私ももか!こっちはりおなだよ!宜しくね~!」
「これお花買ってきたよ!」
「俺が響でこっちが麗!宜しく!」
「あっありがとうございます!」
「皆さんの事はいつも竜ちゃんが、楽しそうに話してくれて、私も皆と一緒に遊びたいなぁ!って思ったんです!いつも、竜ちゃん楽しそうで、中学の時とは全然顔つきも変わってて、本当に皆さんに感謝してます!」
「確かに、皆バカばっかりだからね!」
「特に和美と信也くんのカップルは本当にヤバいから!キャハ!」
「私も校舎内を自転車で相手に突っ込んで行った後、和美さんがもう一度突っ込んで行ったの聞いた時は、凄いウケました!」
「あっでも、一番ウケたのは、ドカベンの話で、連れの里中さんが漫画に同性同名で出てた話かな?飲んでたジュース吹き出しちゃっんだから!」
「おーあれは、スゲー笑ったなぁ!和美がナイスなタイミングで、歌流したり、ピッチャーじゃん!神ってる~!とか言ってよ!」
「クラスの奴ら笑うのスゲー我慢して苦しそうにしてたもんよ!」
「聡美ちゃん、学校は?」
「実は私も同じ学校なんだけど、入院しちゃったから、まだ一回も行けてないの!F組なの!」
「そんなんだ、じゃあ退院したら、いっぱい遊べるね!でも、F組って、和美と信也くんと同じクラスじゃんか?」
「奴ら本当にヤバいかんな!」
「俺らが、ぶっ飛んでるって思うぐらいたから、相当なもんだぞ!」
「早く会ってみたいな!」
「凄い楽しそう!!」
「おっ噂をすれば信也から電話だ!」
「もしもし?おー今、海浜病院に居るよ!」
「そっか?近いじゃん!おーじゃあ待ってんよ!」
「信也達来るって!」
「本当に?」
信也と和美が到着する。
「部屋どこかな?聞いてみようか?でも、誰のお見舞い?」
「えっ竜太の彼女のお見舞いだけど。」
「すみません!お見舞いに来たんですけど!部屋が分からなくて、それどころか、誰のお見舞いに来たのかもわらかないんですけど?」
「あーあー!聡美ちゃんの部屋ね?」
「うぉー!、何でこのお姉さん分かる?」
「キャッキャツスゴーイ!て言うか、誰のお見舞い来たか分からないって聞く人の方が凄くない?キャッキャツ!」
「あっはっはっは!そうだね?長く勤めてるけど、初めてだよね!」
看護婦さんに笑われる。
「そこのエレベーターで五階にいって、左に真っ直ぐいって突き当たりの部屋ね!」
「はーい!ありがとう~!」
ガラガラ
「チィース!」
「イエーイお元気ブリブリ~!」
「聞いて!信也がアホでねぇ!部屋が分からなくて、誰のお見舞いに来たかも分からないって、ボケ老人みたいな事を看護婦さんに聞いたら、ちゃんとこの部屋教えてくれたんだよ!」
「看護婦さん凄すぎ~!」
「相変わらず、テンション高いね!」
「お見舞い来てくれてありがとう!私聡美です。」
「聡美ちゃん!宜しく~!」
「私が和美だよ!これが信也ね!マイダーリン!」
「ギャッハハハ宜しく~!」
「で、聡美ちゃん何で入院してるの?」
「私、紫外線浴びるとアレルギー反応起こしちゃうから、そうならないように今治してるの?」
「へぇー?紫外線ってことはお日さまに当たらなければ、大丈夫なの?じゃあ~!夜一緒に走りに行こうよ!一件落着キャッキャツ!和美頭いーい!」
「まあ、ちょっと当たってるか!」
竜太が口を開いた。
「退院したら、身体に負担かからないように、夜にでも走りに行こうよぜ!」
「うっしゃ!また、楽しみになってきたなぁ!」
「じゃあ、うちらはソロソロ帰るか?」
「また、遊びに来るね~!」
「ありがとう~!」
皆引き上げて行った。
聡美は本当に感謝の気持ちでいっぱいであった。会った事もない私に、ただ、竜ちゃんの彼女と言うだけで、こんなに仲良くしてもらって、涙が溢れ出してきた。
そして、早く退院して、もっと皆と一緒に遊びたいと思うようになったのである。
次の日より、聡美の病室が、何かあるにつれて紫煙の溜まり場になっていった。
冷蔵庫の中には、それぞれ名前が書かれた飲みかけのジュースが、テーブルには、各自買ってきたおやつ用のお菓子がいっぱい置かれていた。
数日後の夜、ももかから、響に連絡が入る。
「響ちゃんスイングトップ、皆の分出来たよ!、明日学校に持って行くから、朝、麗と一緒に迎えに来てくんない?」
「おー出来上がった?サンキュー超速いじゃん!じゃあ、明日学校の帰りに聡美の所も行ってみようぜ!」
「うん、良いね良いね!聡美ちゃん喜ぶよ~!」
「ももか、サンキューじゃあ明日朝迎えに行くからよ!」
「うん、お願いね~!じゃあね~!」
次の朝。
「オッス!ももか!りおなも連れてきた!」
「ももかちゃんおはよう~!」
「おはよう~!」
「ももか、うちらの分持っていくの荷物になるから、着て行こうぜ!」
「お!麗、珍しくいい考え、思い付くじゃんか?キャハ」
「はい!これ響ちゃんに、コレが麗で、コレがりおなちゃんね!」
「可愛い!名前の所ハート付いてる!」
「おー超格好いいじゃん?流石、ももかだ!」
「これ着て学校行ったら、皆ビビるぜ!」
「うっしや!出発だー!」
「おー!」
駄菓子屋の裏に着くと、丁度皆そこで、たむろってしゃべっていた。
「オッス!どうよ!!」
お揃いのスイングトップを見せびらかせる。
「うぉー!、超かっこいい!!」
「マジ、渋すぎ!白のスイングトップにパープルの文字で紫煙!!これ、マジでももかが刺繍入れた?」
「まあね!スゲーだろ?」
「おースゲースゲー!」
「私達のは、赤いスイングトップに銀色の文字!超かっこいい!名前のところハート付いてる!超可愛い!」
「ももちゃんありがとう~!」
「じゃあ!コレが舞で、コレが和美のね!」
「イエーイ!着ちゃおう!」
「私も着ちゃう!超可愛い!」
「で、コレが竜太君!コレが雄大君!コレが信也君のね!」
「ももか、サンキュー!ヤバい超格好良い!どうよ?似合ってる?ギャッハハハ!」
「何か授業フケて皆で、走りに行っちゃう?今日はそんな気分!ギャッハハハ!」
「信也はいつもそんな気分だろうが?」
「でも、良いね!行っちゃう?」
「よっしゃー!じゃあ、聡美の所に行って見せびらかせに行こうぜ?」
「おう!行こう行こう!」
皆で、ぞろぞろと聡美が入院している病院へ。
ガラガラ
「イエーイ!聡美~!見て見て~!超可愛いくな~?キャッキャツ!」
「な~に?皆お揃いの格好で?超可愛い~!」
「スゴーイ!!」
「チームジャンバー作ったんだよ!ももかが刺繍入れたんだ!」
「えっ!ももちゃんスゴーイ!!こんなの作れるの?」
「どう?凄いでしょう?」
「それで、コレが聡美ちゃんのね!ハイッ!!」
「えっ?えっ?私の?」
「そうそう!腕にさとみってローマ字で入ってんだろ?」
「嘘っ?良いの?本当に?」
涙が、どっと溢れ出していた。
「ありがとう!本当にありがとう!」
「私も仲間に入れてくれて、こんな素敵な物まで、貰っちゃって!本当に本当にありがとう!」
ボロボロと涙が溢れて止まらない。
竜太が声をかける
「聡美、着てみろよ!実は俺も知らなくてよ、今知った!」
「こいつら本当に最高だよな~?」
「うん!うん!うん!」
「じゃあ皆で、写メ撮ろうよ~!聡美真ん中~!キャッキャツ!」
「看護婦さんに撮って貰う?」
「和美!あんまはしゃいでるとお前、追い出されんぞ?」
はっはっはっは!
「看護婦さ~ん!写メ撮って~!前からと背中からツーパターンで~!」
「ギャッハハハ聡美泣きっぱなしだけど?」
「撮っちゃえ!撮っちゃえ!キャッキャツ!」
「では、ハイッチーズ!!」
「イエーイ!」
「もう一枚、背中姿ね?ハイッチーズ!」」
「イエーイ!」
「お姉さんありがとう~!」
「お前らテンション高過ぎで、怒られんぞ?」
聡美はずっと泣いていた。皆の優しさが嬉しくて、嬉しくて!
「竜ちゃんのおかげで、皆に出会えて本当にありがとう!幸せしかないよ!」
「聡美いつ退院出来るよ?次は皆お揃いの格好でツーリング行くからよ!」
「それまでには、竜太の運転も上手くなってるって、ギャッハハハ!」
「おー!信也テメー勝負すっか?俺のビーエックスはお前のGSには負けねぇかんな?」
「おーやれやれ~!キャッキャツ!」
「おーし!帰って学校戻るか?」
「聡美まったね~!」
「ありがとう~!またね!」
聡美は心から、感謝していた。早く退院して、皆と思いっきり遊びたい!本当にありがとう!と。