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徒然  作者: 遮那
86/152

まほら

やり甲斐のない 手応えさえもない

仕事に追われて 時ばかり過ぎる


夜が更けてても 混み合うthe last train

窓の暗闇には 無表情の私


子供の頃に過ごさなくても

問われればすぐにでも思い浮かべられる”原風景”

連なる山々 広がる田畠 寺の鐘の音

誰もが持ってる所謂”まほらば”


新し物好き それが世の常

古いのなんかに 構ってる暇はない


お銭が稼げりゃ 他のはいらない

今が楽しけりゃ 後は知るもんか


田んぼに突然聳え立つビルディング

胸張り「豊かになった」と さも誇らしげに

その場に根付いてた古きモノに

気を揉む者など一人といやしない


変哲も無いただの景色も

心に大きな影響力 侮るなかれ

忙しぶっても不安になるのは

足場を崩してグラつくから


今更になって悔やんで改まっても

記憶の隅の”まほらば”は もうどこにも無い

唯一救いと言えるのがあるとすれば

大なり小なり似たような”景色”を

皆で思い浮かべられる事だけ

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