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徒然  作者: 遮那
76/152

PTSD

命からがらに硝煙垂れ込む 銃声をくぐり抜け

煤に塗れた身体引き摺り 生きて戻れば


休みの通り派手に笑い合う どこぞのお嬢ちゃん

昼間から酒を呷ってるオヤジ


どこもかしこも変わる事なく

甘受している平穏な日常

怒りは湧かない不満も特に無い

ただただこの場に僕の居場所が無い

これからどうして生きて行けば良い?


毎夜毎晩途切れる事なく 夢に魘される

すぐそこ聞こえる敵の砲撃 死んだ友の顔


目を覚まして起き上がっても まだ陽は昇らない

街は静かに眠る


どこもかしこも変わる事なく

甘受している平穏な日常

事情も知らずに安易に近寄る

押し付けがましい善意に隠された

野次馬どもの飽くなき好奇心

もう誰とも顔合わせたくない


命を賭して戦った 我ら今や邪魔者


誰一人も助けられずに

己一人だけ生き残ってしまった

「生きるってのは素晴らしい」だなんて

そんなマヤカシ今更耳を貸せない

どうせこのまま忘れ去られるんだろう

これから残りをどうして生きていけば良い?

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