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睡蓮
気失いそうな蒼惶 遠く見える入道雲
望む望まぬ考えぬ その日にはその日の風が吹く
あっちへユラユラ そっちへユラユラ
明日は果たしてどこへ流れてるのか
「縛られたくない」「自由になりたい」
「どこへも行きたい」子供染みた甘え
根っこを張らずに フワフワ浮いてる
沸き上がる言いようのない不安
日毎夜毎飽きもせず 移ろい行く流行りもの
ちょっと頭をよぎる疑問符 でもすぐに忘れ去る
吹き荒れる旋風抗おうにも
根も下ろさず踏ん張れるはずもない
世間が求める ユニークな閃き
人真似出来ない 二つないオリジナリティ
地に足着けずに 一人考えても
出てくるのはメッキの剥げたボロ
飽和の時代 物は溢れかえり
一年と保たない 中身はとんだ粗悪品
考える事すら 自ら放棄し
口から出るのは その場限りの嘘
「縛られたくない」「自由になりたい」
「どこへも行きたい」子供染みた甘え
まだ間に合うはずなのに そんな気起こさない
思い通りに生きてるつもりだろう?
ただ風に煽られて流されてるだけ




