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徒然  作者: 遮那
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宿命

荒れ野原 吹き抜ける風

カラカラに渇いた砂塵が舞う

思わずストールに顔埋める

視界は滲んで定まらない


どうして僕はこんな所で立ち尽くしてるんだろう?

天へ唾を吐いても顔にそのまま掛かるだけ


ふとしたばかりの隅の暗がり ほんの隙間から

確かに漏れ聞こえたんだ 甘い魔女の囁き

幼い頃に捨てたと思ってた安いヒロイズム

まんまと見抜かれひたすら吹き込まれ

わけなく立ち上がる”運命”の御名の許


あの頃確かに言われる様に

何も考えてなんて無かった

”良い人”ぶって濁していれば

楽に日々過ごせたから


それがいつしか社会の渦へ突如放り込まれ

藁にもすがる気持ちで安い言葉に乗る


散々周りにちやほやされた挙句 悟る”運命”だと

ただ与えられただけの己の領分 それを勘違いし

いつしか生まれる前から定まってたかの様な”宿命”と思い込む程

心の闇の中迷走を始める

走り出したが最後元へは戻れない


モノ多い世の中全て白黒分けれる訳じゃない

でも肝心なところは徹底してなきゃ ほら隙を狙って”運命”が誑かしにやってくる


通り溢れる誰もが諦め顔 悟ったつもりでいる

シラフ決め込み何でもないフリ でも心は焦ってる

今まで”外部”に頼ってきたツケ これは自業自得

それを受けるまでが”運命”なのか?


己の真ん中あの頃あったはずの 見えない太い芯

今あるのは拭えない自己不信感 後に満ちる自滅願望

今やあの魔女達の声すら この耳に届かない

今は目を閉じても惰性で歩くだけ

我らに残った己の意思決定

この命を絶つことだけなのか?

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