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徒然  作者: 遮那
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Hexe

草木の水遣り家事に洗濯終わらした午後

斜めに射し込む陽射しの先 ハニカム二人の写真


父に手を引かれなだらかな坂 草原に浮かぶポツンと小屋一件

そこに住まうは人懐っこい笑顔湛えた一人の魔女でした


この世とあの世の狭間位置する 垣根に腰を下ろし

普段はそこから見渡してる もちろんこれは私の妄想

でもね 目を見て話せないくらい人見知りな私が

気付けばすっかり魔女の虜


夏休み親元離れて預けられた叔母さん家

電波無いから携帯使えずテレビすらも無い


最初は慣れない不便さに苛つき 不貞腐れ部屋に籠っていた

でも変哲も無いお喋り 物語にいつの間にか引き込まれてた


晴れた朝には庭に咲いてる ラベンダーにシーツを被せて

午後まで田畑で野良仕事 泥に塗れながら

夕方になりシーツを取り込む 染み込む花の香り

夕食食べればすぐに床の中


誰よりも早く大人になりたかった 期待と不安に危うく揺れる思春期

このままでいいのか必死に背伸びしてた

でもあの魔女が私に教えてくれた

「誰かにならなくていい そのままでいいんだよ」と


箒に乗っても空は飛べない私だけの優しい魔女

今はとっくに垣根を超えて向こう側へ旅立った

でもね あの夏の日々別れの時泣きじゃくる私に

あなたは静かに抱いてくれた そこに言葉は要らない

今の私はあの時教えてくれた魔法の数々を

忠実にこなすまだまだ見習い魔女

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