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徒然  作者: 遮那
59/152

infants

くたびれた人の群れ 空を見る人も無し

宵闇の西の空 映えるは黒き鳥の群れ


騒がしい繁華街 中身無い馬鹿笑い

ゴミ溜まる裏の路地 蹲る一人infants


暗がりの中身じろぎせず まして小汚い風体

通り行く人皆 見て見ぬ振り


どこまでも深く底知れず広がる暗闇の水晶体

覚悟無く覗き込んだが最後 堕ちるは心の深淵

無知を決め込み幾ら無視しても 気付いてしまってる

この少年の持つ存在意味を

その内に秘めたる禍々しきモノ


聳え立つビルディング 煌々たる常夜灯

意味もなくただ眩しい 暗がりから逃げるよう


目の前を同い年 親子連れ手を繋ぎ

目が合い手を振れば 皆同じ顔しかめっ面


怒りも湧かず溜息混じりに 何の気も無しに見上げれば

モニターに映るバカ騒ぎ ただの空元気


誰が決めたか社会の枠組み踏み外す異端児

牢屋に押し込み無いモノとし その後は知らんぷり

大見得切って口出る妄言 「全てうまくいってる」と

でもそんな出任せ いつまでも保たない

だって目の前にこの少年がいる


絶えずキリなく収容されてくるその量に

限界を超え始め 溢れてこの顛末 あぁ…なんてザマ


どこまでも深く底知れず広がる暗闇の水晶体

覚悟無く覗き込んだが最後 堕ちるは心の深淵

か細い身体に全てを押し付け安穏と暮らしてきた

そのツケを今受けようとしてる

黙って受け入れる他ない

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