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徒然  作者: 遮那
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Child in time

明かりも点けず暗がり独り 健気にひたすら帰り待つ

耳障りなヒンジの作動音

また連れ込むのは別のタレ


一瞥くれ寝室に入り暫くすれば

あられも無いメスの嬌声 震えながら耳塞ぐ


何で笑ってくれないの? 僕が良い子じゃ無いから?

ならもっと頑張るから ただ答えて欲しい

ここにいても良いのかな? まだここにいても良いのかな?

手元のくすんだぬいぐるみは 冷たく押し黙ったまま


くたびれたソファー ヤニ臭いケット

這い出ても「おはよう」言う相手は無い

固く閉ざされた襖越し

微かに聞こえるズレる呼吸


幼いながら鏡に言い聞かせてきた

全ては全部僕の為だと だからせめて我慢しなきゃね


何で構ってくれないの? 腕に残る痣撫でる

今実感ある唯一の 親子の触れた証し

幾ら身体打たれても 痛みは薄れるけれど

心に広がる寒さは どうやり過ごせば良いの?


「愛して」だなんて贅沢言わない

ただ必要として欲しいだけ… それだけ


僕の名前を呼んでよ 何も言わず抱きしめてよ

誰かがするんじゃなくてさ ねぇお母さん…

今は許してくれるよね? 音は立てないから

手元のくすんだぬいぐるみに また一つシミが増えるだけ

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