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徒然  作者: 遮那
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アルボラーダ

昨夜もよく眠れなかったな 体は悲鳴上げてても

春眠暁なんかを覚えてばかりいる


何の気もなしにいつもの癖でTV点ければ

CMが流れ そこには笑顔振りまく懐かしい顔


以前のアタシだったら後悔と自責の念に苛まれ

直視出来なかった でも今日は穏やかでいられた


今日もどこかでこうしてる内に

何かが終わって始まる

ベッドには今日の為特注した 純白のイブニングドレス

”アタシ”を思い出にずっと縛り付ける 日々にさよなら

過去と決別する決意の朝


埃っぽいベッドの中リアルから逃げるように

何もかも脱ぎ捨て 散々パラふざけ合い


一息ついた後タバコを燻らしアタシの髪を

指で梳きながらセレナーデを歌いかけた


目覚めの時にはアルボラーダで呼びかけた

何だか悔しいけど今も間違えずソラで歌えるよ


今日もどこかでこうしてる内に

何かが終わって始まる

あの頃より上手くなったメイク 鼻歌交じりに

友達伝いに誘いを貰った時 出るのを躊躇したけど

今は全く迷いは無い


事細やかに思い出せるわ 雨の喫茶店

向かいに座っていたのはアナタと親友

「コイツと付き合うから」と唐突な別れ話

当然怒鳴り散らし詰り倒したけど

今まで築き上げて来たものが目の前で崩れ落ちた

そこにすでに”アタシ”の居場所は無く堪らなくなり

外へ駆け出した それっきり


今もどこかでこうしてる内に

何かが終わって始まる

鏡の中純白のドレスに身を包み 湛えるは不敵な微笑

友人達 上司はたまた赤の他人 リアクションが目に浮かぶ

構わないわ これで最後だもの

全て振り払い 今日から新しい”アタシ”


涙だけはぜっったいにあげない

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