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徒然  作者: 遮那
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Gypsy

陽の沈み行く方へ風の吹き荒れる荒野を ひたすら馬車に揺られ

何日も砂埃に曝されようやく辿り着いたは異国の地


まっさらなシャツ着た人々はケダモノでも見るように 蔑んでくる

なーに 我らは察しの通り根付かぬ流浪の民 忌み嫌われるのは慣れた


ちょうど頃合いの広場を見つけ

冷ややかな視線感じながら せっせと支度する


ひとたびトケの音色と共に

踊りだせば

妖艶な腰使いに意味ありげな微笑

見る者を虜にする

さぁ 手の痛くなるほどのパルマ 喉枯れるほどのハレオで

私をもっともっと昂ぶらせて

踊り続けるわ お望みのように


何とかその日の宿代を稼ぎ 余ったお布施で一人路地裏のBarへ

カウンターの端で静かに呑んでると話しかけてきた 物腰柔らかなBello


赤い顔をした彼は さっきの広場での踊り演奏を仕切りに褒め

シェリーで乾杯 ほろ酔いで誘われるまま ある寂れた一室へ


埃っぽいベッドの中 月明かりの下

一時の情熱と知りつつ 何度も激しくまぐわう


ひとたびトケの音色と共に

踊りだせば

妖艶な腰使いに意味ありげな微笑

見る者を虜にする

さぁ愛しの男よ もっとその焼け付くような視線をこの身に注いで

私をもっともっと昂ぶらせて

踊り続けるわ 貴方のために


傷つくのは分かってたはずだよ 一緒に見に来てたのは彼の奥様

なーに 我らは根付かぬ流浪の民 愛しの人との別れなど慣れてたはずだけど…


ひとたびトケの音色と共に

踊りだせば

妖艶な腰使いに意味ありげな微笑

見る者を虜にする

それでも徐々に人々は飽き この地にも居られない

また一つ心に大きな傷を刻みつけ

そして旅立つ 西の果ての理想郷へと

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