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徒然  作者: 遮那
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トリニティー

雲一つなく空の高い晴れた午後 暖かな陽気に誘われて

白南風にそよがれ青草が歌う あの丘のいつもの場所へ


風に乗って耳に聞こえてくるのは 賑やかで活気に満ちたメロディー

子供達の遊ぶ明るい笑い声 市場で声を張る粋な大人の声


こんな平凡で幸せな日々 長くは続かないでしょう

遠くの空を見ればホラ

不吉なモノを身に宿したような黒雲が見えるよ


この美しい世界に生きてたいだけなのに

トライアングルの一角の者達が我欲のために

僕等の意志とは関係なしに散らかし汚してく

これといった詫び言も無く


この長閑で平和な村にも 時代の波は確実に押し寄せ

人々の間には嘘で固められた 偽りの情報で溢れかえる


次々と堰を切ったように 商人が入り込んできて

今まで見た事なかったモノに 皆心を奪われてしまった


この間偶然見つけた 遠くで立ち籠めてたあの雲

見ぬ間に少し成長してる

この分だとこの村に到達するのも時間の問題だろう


この美しい世界に生きてたいだけなのに

トライアングルの一角の者達の意の向くままに

植え付けられた欲求を解消する度

辺りはゴミで溢れる


人は好奇心を止められない


目前まで迫る雲 慌てて櫓に登り

必死に鳴らす警鐘

でも今の村に耳を傾けようとする者などいない


この美しい世界に生きてたいだけなのに

平和という情報にすっかり騙されて

安穏と日々流れるままに暮らしている

恐怖の均衡の上で


いつまでも他人事のように済ましてられない

臆病という怠慢によって目を背け続ければ

今に暗雲が空一面に覆い被さり

黒い雨を降らす事でしょう

そうなってからはもう遅い

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