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ジーナ
目覚ましが鳴る前に止めてベッドを出る
サイフォンのスイッチ入れ支度に取り掛かる
目を擦りアナタ静かにテーブルに着く
昨日の疲れ引きずってても笑顔で挨拶交わす
アナタの美味しそうに食べる姿を見てるだけで
何だか心の奥に
ホッコリしたものがプクプク膨らんでく
ほんの些細な仕草から感じるよ
私を欲し必要としてくれてる事
別に無理して言葉にしなくていいから
「愛してる」て言われても
不安に取り憑かれるだけ
家事を一通り済ませいつものカフェへ
顔合わせればいつも通りカレの話へ
みんな言いたい事言い終始惚気っぱなし
でも私が話すと可哀想に憐れんでくる
派手な事無いだけで十分幸せなのよ
みんな他人に話す事で
自分達は上手くいってると確認したいだけ
見せつけるように腕絡ませ通り歩いても
携帯覗ける隙を常に窺ってる
誰かに心移らないか気が気じゃ無い
周りに歩調を合わせてるうちに
息切れしてちゃアブナイ
賑わう駅前でアナタと落ち合い帰る
途中で買い物しレジ袋抱えながら
ウィンドウ越しの純白のドレスに見惚れるけど
今はアナタが答えを出してくれるまでは
待つ事を楽しむだけ




