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徒然  作者: 遮那
137/152

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むずかりながらも手を引かれるまま

とぼとぼ歩いた山道への道

綺麗に敷かれた通りは同じ

背丈の子供で溢れてごった煮


山とも丘ともはっきり言えない

その頂まで渋滞は続く


なだらかな斜面土気のない道

楽ではあっても面白みは無し

交通整理をしている大人の

背後に広がる暗い森の木々

幼い心を捉えて離さない


大人の制止を振り切りガムシャラ

茂みの潰れた筋辿りゆけば

静かに佇む苔むした鳥居

入り口を示すやっとの目印


昔は誰かが歩いてたんだろう

地蔵がひっそり柔らかな笑み


手を使わなくちゃ登れない巨岩

準備をしないで来たから泥んこ

ここまで向こうの賑わい聞こえる

もう戻ろうかと臆病なるけど

今更引けないゴールがあるのを

信じてひたすら登って行くだけ


手を引く大人を見てれば悟れる

このまま惰性に歩けばこうだと

楽して見えても活気のない顔

その姿を見て子供はそれなり

小さい時分で絶望している


草木と戦い擦り傷だらけで

拓けたところに出たのは夕暮れ

麓を見てみりゃ明かりが眩しい

夜に包まれて膝を抱え込む

ほおを撫でて行く風が心地よい

ぼっちだとしても淋しくなんかない

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