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紫陽花
規則正しい雨垂れの音 薄暗い部屋に響いて
少し目を閉じ耳を澄まして 気だるい身体を起こす
今はもう誰もいない家の軒先に 静かに纏まっていたアジサイは
今年も誰に見せるでもなく 咲いてるのだろう
傷つき傷つけ合ってしまうこと
分かってるのに
懲りずにまた新しい誰かと出会う
人の心というのは無常なほどに
移ろいゆくもの
帰さぬかのような遣らずの雨 シトシトといつまでも降り続け
縁側で二人軒先の アジサイを飽くことなく見つめていた
人一人一人心の形は違うのに 全て分からないと気が済まない
アチコチ探しまわってれば 愛想つかれるだけ
傷つき傷つけ合ってしまうこと
分かってるのに
懲りずにまた新しい誰かと出会う
あんなに楽しみだった雨続きの日々も
今は疎ましい
お互いの歪な心をなんとか頑張れば
組み合わせられるんじゃないかと思っていた
ぶつけ合った所が醜い痣となって
いつまでも残る....
傷つき傷つけ合ってしまうこと
分かってるのに
懲りずにまた新しい誰かと出会う
人の心というのは無常なほどに
移ろいゆくもの
窓を濡らす滴を 手でなぞり思い出す
鮮麗な青と紫の色合いで 何か訴えるような