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徒然  作者: 遮那
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春一番

出会いは偶然だった 変哲もない飲み会の人数合わせ

お互いそんなに乗り気じゃなかった そんなトコで変に気が合ったよね


あの時は運命の人だと 疑う余地もなかった

だからこそ私の全ての「初めて」を貴方に捧げた


春の嵐は力任せに心を引っ掻き回し

二人が築いてきたモノを容赦なく崩してく

春の嵐よ どうせこのまま元に戻せないなら

せめて瓦礫も一緒に吹き飛ばしておくれ


冷えた部屋の中 本能のままに身体を貪り合う時は過ぎて

二人膝抱えて並んで座って 目の前で時が流れるのをジッと見つめるだけ


私以外に女がいること 知ってるけれど知らないフリ

ただアナタのくれる中途半端な優しさ気遣いが 今痛い


春の嵐は力任せに心を引っ掻き回し

二人が築いてきたモノを容赦なく崩してく

今まで素敵に見えてたあの人の一挙一動は

春の嵐の中で見た幻だったのでしょうか?


別れを告げられたその時には 何も感じない程枯れてたのに

心を暖かな風がすり抜けたら思わず 涙がこぼれた


あの人にとっては途中駅だったとしても

私にとっては始発駅で ここから全てが始まる

もう大丈夫だよ あれはきっと春一番だったんだ

この後には本当の春が来るのでしょう

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