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いとおしい
東雲の微光暁の静けさ
親子並んで寝ている姿は 模範通りの川の字
朝の支度をそろそろしなきゃと
起きようにもついつい見入るは 我が子の寝顔
視線を感じて奥見りゃ旦那が
言葉を掛けずにコチラへ微笑む
ひたすらに愛惜しい それ以外要らない
「愛している」だとか そんな手垢に塗れた
あやふやな言葉 それじゃ表せない
微笑みを返す私の心は
独りで立つのが「自立」する事と
勘違いして強がり生きてた 青臭い私
相手の気持ちの裏付け欲しくて
求めた言葉は「愛している」だけ
使い古され今じゃただの記号
縋れば不安の堂々巡り 八方塞がり
聞こえ良いフレーズ 使い勝手の良さに
溺れたら自分の 気持ちも何処か曖昧
違和感アリアリな Loveなんて言葉
いつかは何処かに捨てなくちゃいけない
結局一番しっくり来るのは
「失うのが惜しい」ただこれに尽きる そうじゃない?
ひたすらに愛惜しい それ以外要らない
斜に構えてるのが 時代の流行りでも
失うくらいなら 我が身を捧げたい
端から見てみりゃみっともなくても
人の一生それだけで豊か