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徒然  作者: 遮那
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トロンプルイユ~trompe-l'oeil~

今日はどうかと 踊り場へ出てみても

辺りは味気ないモノクロ世界

上を見上げりゃ武装した人々が

すれ違っても会釈なく ただ交錯し続ける


たまに僕と目が合っても 声を掛けてくることなく

侮蔑の眼差しよこして 鼻を鳴らしてまた歩いて行く


誰も彼も疑いもなく 日々歩き続ける

他人の作りし永久に続く 階段の上り下りを

蔑まれても構わない もう疲れちゃったんだよ

僕は良いんだこの場所から 見届けるよ


暗闇の中 一縷の光を頼りにやって来た

その先にどんな素晴らしい世界があるのかと

でもやっとの事で辿り着いてみるとそこは

矛盾だらけで歪んだ 不可思議御殿


僕も上にいたけど今じゃ 初めからいなかったかのように

隊列が乱れることなく 無感情な行進は続いて行く


誰も彼も疑いもなく 日々歩き続ける

他人の作りし永久に続く 階段の上り下りを

蔑まれても構わない もう疲れちゃったんだよ

僕は良いんだこの場所から 見届けるよ


一人でいればこの世界に 留まっていられると思っていたけど

今の惰性の生活を続けるのさえ 耐えられなくなってくる


いつの間にか外への階段に腰を下ろしていた

目の前に広がるのは 全くの無の世界

このまま騙し絵の中に 居続けることが出来ないんだよ

たとえアッチに行けば 僕が消えるとしても

もうここから飛び出したい

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