~成り行きついでに~
二人が起きた時は午後2時だった。ぐっすり寝れたみたいで良かった。
「ようやくお目覚めですか」
「ごめん、今何時なの」
寝ぼけた様子で光井が言ってきた。
「携帯見てみれば分かるんじゃないの」
携帯を見た三井は驚いた様子で俺の顔を見た。確かにそんな顔にもなるなと思ったが光井が驚いていたのは別の理由だった。
「よくあんた理性保てたわね。私と葵ちゃんが隣で寝てるにも関わらず手を出さないなんて」
その発言には流石に呆れてしまった。こっちはひたすら解析していたのに、この女はホントにどうしようもないな。
「とりあえず宮下と早く出かける準備をしてくれ。早く行動に移したいんだけど」
「あんた寝てないのに大丈夫なの?途中で倒れられても困るんだけど」
「そのへんは心配するな。3日寝なくても問題ない」
光井は俺の言うことを信じてない様子だったが、やれやれという感じで宮下と準備を始めた。
三人で向かった先はとあるマンションだ。ここに俺が話を直接したい人物がいた。
部屋の番号を押しチャイムを鳴らした。
「どちらさまでしょうか?」
「すみません、私は佐倉悟というものです。藤井美咲さんでお間違いないですね。」
声を聞く感じ落ち着いていた。ちょうど俺の母さんくらいの年齢なんだろうと思った。
「はい、そうですが何の御用でしょうか?」
「突然で申し訳ないのですが大切なお話がありますのでご自宅に入れさせてもらえないでしょうか?」
「……わかりました。どうぞ」
光井と宮下も一緒に上がり藤井美咲の家に上がることに成功した。
ついてきてる二人には作戦のことは何も伝えてなく、ただ一緒に来て欲しいとだけ伝えた。