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依頼
明末清初
中国
広東
武館の前に立つ白い拳法着を来た男の後ろ姿
「李英風と言いますが陳先生はいらっしゃいますか?」
男が聞くと中庭で稽古していた男が「李先生ですか?お待ちしてました」と答えた。
「李」
チョビヒゲの男が奥から出てきた。
「陳。久しぶりだな」李が答える。
「李。遠い所。遥々来てくれて感謝する。さあ奥へ」と陳は言った。
「大量の金を運ぶ仕事を請け負ったが、ウチの奴等だけじゃ不安だ。そこで隊長になって貰うため御主を呼んだ」陳はそう言うと茶を飲んだ。
「昔、鍛えあったお前の頼みだ。断れまい」李が言うと陳は「ありがたい。頼むぞ」
陳が言うと李は頷いた。
「先生、参りました」青年が部屋に入り陳に言った。
「こいつは張と言う。若いが私の一番弟子だ。副隊長にする」陳が言うと李は頷いた。