第7話 代償
今日も執筆中
3日間のテスト日程終了後、生徒会室に集まったのは安藤先輩以外のメンバーだ。
1日目が終わりテスト範囲からの出題が少ないことが分かった。
北村にはテスト範囲しか教えておらず、テスト範囲以外も教えようと考えた。
しかしテスト範囲からの出題が少ないとなると広範囲すぎて手が付けられない。
そのまま声をかけることも無く次に北村と話したのはテスト終了日となった。
「まあ落ち込むなよ。今回がダメでも次回頑張れば良いんだし」
「何言ってるんだ?」
「いや、俺なりに慰めをだな」
「テストの事か?」
「ああ。今回はテスト範囲からの出題がすくなかったからな。災難だよ本当」
「458点だったよ」
「そうだよな。458点だよな。そんなもんだよそんなもん……。458点!?」
「何か問題でも?」
「こないだの定期テストで5教科合計が27点だった奴が!?」
「嘘じゃないぞ。真実だ」
まじかこいつ。やってくれたな。合計458点って言ったら平均92点程度の点数だ。あまりの高得点に驚嘆した。
「吉見の教え方が上手かったんだろうな。ファミレスで教えてもらってから勉強のコツを掴んだと言うかなんというか」
ちょっと教えただけでこの高得点。あれだけ勉強ができなかった奴がコツを掴むとそんなに勉強が出来るようになるのか。イケメンで気を遣えて勉強も出来る最強男子だ。
「どったのー?」
「北村の点数が跳ね上がったんだよ。こいつは勉強の才能あるわ」
「458点!?凄すぎじゃん!」
高瀬の後ろで相原も驚いた顔をしている。相原は何点だったんだろうな。今回は高得点を取れてると思うが。
「それもこれも全部勉強を教えてくれたよし……」
「うわぁぁぁぁ待て待て待て!!北村ちょっと来い」
「いいか北村。俺が勉強を教えたってのは相原には内緒だ」
「何故だ?別にい良いじゃないか」
「いや、それはだな……」
俺は北村に全てを話した。相原が好きなことも裏方活動のことも。
「なるほど。あまり理解出来ないが理解した事にしておこう」
「助かる。さんきゅー」
何とかピンチを乗り切った。高瀬は俺が相原を好きなことも裏方活動をしていることにも気がいて内緒にしてくれている。これから生徒会活動をしていく上で悪意は無くとも相原に裏方活動をしていることが誰かの手によって相原に知らされる可能性はある。
また今度金井にも話をしておこう。
「私も今回は結構いい点数だったのよ」
「相原もか?何点だった?」
「430点」
「おお!!いつもより取れてるじゃないか。今回は大分頑張ったんだな」
それもそのはず。俺は相原の机の中にテスト範囲をまとめた解説本を入れておいた。それを使って勉強したのだろう。
「きっと安藤先輩のおかげね」
「ん!?なんで安藤先輩のおかげ?」
「私の机の中にテスト範囲をまとめた解説本が入ってて。頑張れよって言葉が添えてあったんだけど、私の席の近くで安藤先輩を見たって言う子がいて」
なんか上手く勘違いしてるな。頑張れよって言葉を添えたのは俺なんだが……。
安藤先輩は相原の席の近くで何をやってたんだ?あの人の行動は意味不明だ。気にしないようにしよう。
「ちょっとあいちゃん。それを安藤先輩が渡してくれたって本気で思ってんの?」
「安藤先輩が居たのを見た人もいるしそう思ってるけど?」
「イヤァァぁぁぁああ高瀬。ありがとうな。大丈夫だ。大丈夫だから落ち着いてくれ」
「?」
相原は、なんの話?と言った表情を浮かべキョトンとしている。
意味もわからず高瀬が少し不機嫌なのだから仕方ない。
「高瀬。大丈夫だ。こうなってるのは俺の責任でもある。ビビリな俺が逃げに逃げた行動を取った結果がこうなってるんだ」
「でも……」
普通に話したりたまに一緒に登校したり、そんな関係が壊れるのが怖い。
怯えて逃げて裏方活動を始めた代償がこの結果である。
これから幾度となく同じような事が起こるだろう。それでも俺は怖いんだ。友達でも近くに居られる今の状況が俺に取ってはちょうど良い。
「本当にありがとな。高瀬」
中日が負けた〜.°(ಗдಗ。)°.(中日ファンです