第4話 本当の選挙
稚拙な文章でもうしわけないです。
本当の生徒会選挙?もう選挙は終わってるはずだが。
「安藤先輩、本当の生徒会選挙とはなんですか?」
「新しい生徒会が発足されてから1ヶ月後に、もう一度選挙が行われるんだ」
……?そんな必要がどこにある?何故新しい生徒会を決めた後にもう一度選挙をするんだ?
「なぜもう一度選挙をするんですか?」
「新生徒会がその座に相応しいかどうか、見極める期間があると言うことだよ。その期間で何か失敗をしたり、仕事が出来ないとその生徒会メンバーは入れ替えられる」
なるほど。理屈はわからんでもないが二度手間だろ。二度も生徒会選挙をする学校なんて聞いたことない。
もう一つわからないことがある。本当の生徒会選挙の存在は新生徒会メンバーは誰も知らない。でも何故だ?毎年行われていることなら俺たちもそれを把握しているはずだが。
「何故その存在を俺たちは知らないのか?って顔をしているな。吉見。知らないのは当たり前さ。この選挙は俺が今年から作った制度だ」
な、なに!?そんな横暴が許されるのか?いくら生徒会長とは言えそんな身勝手なルールを勝手に作るなんて。
「俺は生徒会をより良いものにするためこの制度を考えたんだよ。学校のことを思えば、選挙だけを頑張って、生徒会の仕事をしない奴はいらないだろう?」
そう言われれば聞こえは良いがおそらく理由は他にある。
「まあそーゆーことだから、1ヶ月間頑張りたまえよ諸君」
そう言うと安藤先輩の視線は俺ともう一人の男性メンバー北村に向けられた。
初めて耳にした衝撃の事実に呆然としながらも、生徒会長の独壇場となった初顔合わせは終了した。
◆◆◆
初顔合わせも終わり俺たち3人は帰路に着いている。
相原は何やらご機嫌そうに一人前を歩いている。その後ろで俺は高瀬に話しかける。
「高瀬。あいつの言ってること、本当だと思うか?」
「まぁ十中八九嘘だろうね。きっと自分の居心地の良い生徒会を作りたいだけなんだよ」
高瀬もそう思っていたか。最後の安藤先輩の目線で男性メンバーを蹴落とそうとしているのは明らか。なんて外道な奴。
「やっぱそうだよなぁ。それに相原は気づいていないみたいだし。それにしてもあんな身勝手な制度を勝手に作れるとか生徒会長ってすげぇな」
「生徒会長が凄いんじゃなくて、あの人のお父さんが凄いんだよ」
「お父さん?」
「あの人のお父さんは私たちが通ってる学校の理事長だよ。そりゃなんでもやりたい放題だよね」
「理事長!?」
「うん。理事長」
理事長ときたか。理事長が父親なら自分の好きなよう制度を作れたとしても何ら不思議ではない。先生方も理事長には逆らえないだろう。オトナの事情って難しい。
「相原、なんか安藤先輩のこと好きになりそうちゃう?それはやめてほしいねんけどなぁまじ」
「よしみん、動揺で関西弁になっておるよ。まああいちゃんはそゆとこ疎いからね。もしかしたらって可能性はあるよね」
「高瀬は高瀬弁だよな。その話し方。相原があんな奴のこと好きにならないことを願うよ……」
ここ何日かで急な出来事が多すぎて頭が整理できないが裏方の仕事は続けよう。
そして俺たちは1ヶ月を乗り切らなければならない。
乗り切れないとなると、おそらく前生徒会長のハーレムが完成する。あんな奴の好きにさせてたまるか。
まずは明日の朝、相原と高瀬と一緒に登校して生徒会の仕事について話し合うことにしよう。
今年から花粉症デビュー。喉痛い