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第16話 林間学校2

暑くなってしましたね。熱中症にはお気をつけて。

 林間学校当日。裏方活動のために起床している時間と同じ時間に起床して学校に向かう。


 林間学校はバスで2時間ほど走った山の中で行われるらしい。

 学校に到着するとすでに半数以上の生徒が集合していた。


 その中に相原と高瀬の姿を見つけ声をかける。


「早いねお二人さん」


「お、よしみんおはよっ」


「あんたが遅いのよ。寝癖ついてるし。それより吉見、体調でも悪いの?」


 そう、俺は今日マスクをしている。


 昨日の夜、如何にして裏方活動をするか考えていたら就寝時間が夜中の2時を回ってしまった。

 そのせいか、朝から体調が悪くマスクをしてきた。


「ああ。ちょっと夜更かししてな」


「夜更かしは体に悪いわよ。気をつけないと」


 俺にはきつく当たる相原だが、相原の本質である優しさは隠しきれない。俺が相原を好きな所以だ。


 集合時間を少し過ぎて皆が集合したところでバスに乗り込む。


 俺はトイレで用を足していたためバスに乗り込むのが最後になってしまった。


 バスに乗り込む時にふと考える。


俺のバスの隣の席は誰なんだろう。


 まあ誰でもいいか。最悪静かにしていてくれればそれでいい。バスの中も寝て過ごせば快適だろう。そう思いながらバスに乗り込む。


 自分の席の番号を探しながらバスの後方に進んでいく。

 お、ここだ。窓際の席に誰か座っている。クラスメイトとはあまり会話をしないため顔を見ないようにして席に座った。


 少し座りづらいが出来るだけ空間を開け、通路側に寄って座る。


 バスが走り出して10分。見知らぬクラスメイトと隣同士の席に座り居心地が悪いなぁなんて思っていた。


「ちょっと」


 ん?隣の席のやつが急に話しかけてきた。別に俺は仲良く話すつもりはないんだが


「こっち向きなさいよ」


 なんだよ。めんどくさいなぁ。とりあえず隣の席の方を向いてみよう。


「なんでしょう……。相原!?」


「はぁ……。なんで気づかないのよ。最初から顔も見ようとしないで」


「あ、いや、え?相原?」


「相原だけどなにか?」


「なんでもない。まさか相原が隣の席にいるとは思ってもみなかったから」


 あ、あ、あ、あ、あ、相原が隣の席?まさかそんな事があるはず無いと決めつけ考えもしなかった。確かに相原とは同じクラスだからバスの席が隣同士でもなんら不思議では無い。なんで10分も気づかなかったんだ俺の馬鹿野郎。


 相原との10分を無駄にしちまったじゃないか!


 いや、そこじゃない。相原が隣の席?2時間も!?


 驚きのあまりそこから5分、会話も続かず沈黙が続いた。流石にこのままなにも喋らないわけにはいかない。


 何か話しかけなければ。


 とりあえずなんでもいい。面白くなくてもいいじゃないか!天気の話でもいい。話しかけろ俺!


俺は緊張から相原の顔を見ることが出来ず目をそらしながら話しかけた。


「あ、相原……」


「……。」


相原からの返答がない。無視されてるのか?俺と話すのが嫌なのか?


俺は勇気を持って相原の目を見て話しかけた。


「あ、相原!!」


 ……。


相原は窓際にもたれながらぐっすりと寝ていた。すやすやと、天使のような寝顔で。

ご覧いただきありがとうございました。ドキドキワクワクの林間学校の始まりです。

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