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魔王の血を継ぐ者達  作者: ジュニア
2/9

探索

 ここは王都から遙か遠く離れた場所にあるヴァルトス鉱山にある町ジェレス、人間達がモンスターに対抗すべく剣や盾といった武器・防具が生成され、その素材の元となる鉱石や高純度の宝石になる原石が採掘され、かつてここに住んでいた者達は世界中から職人が集い、互いに競い合いながら沢山の商品が生産され、豊かな街へと変貌していった。


そう日記に書かれていた。


だが、今は誰もこの街には住むものがいない。


崩壊した街中を二体のモンスターと共に散策する一人の少年がいた。


名前はエレン。


エレンは亡き父である魔王の血を継いでいる。


幼少期に父を亡くしたので全く記憶は無いが、魔王の家来であったモンスター達から父の偉大さを知った。


そんな偉大なる父の命を奪った人間達が許せなかった。


特に四人の英雄達によって殺されたと知った時から、父の意志と復讐の為に極寒の地で長い間、修行を積み重ねてきた。


モンスターの中でも4人の英雄達の能力を知っている者もいたので、彼らに対抗できるだけの実力は身に付けたはずだが、4人同時に相手となると太刀打ちできないだろうと理解はしていた。


それでも、いつまでもこの山脈に潜めているのに限界であった。


いつか、必ずこの手で父の仇を打ち、人間達を一人残らずこの世から消し去ると誓っていたぶん、その強い感情を抑えられなくなっていたのだ。


せめて、下界の様子だけでも知りたい。そう思って、偵察隊である10体のガーゴイルを放った。


1ヶ月経ち帰ってきたのはたった二体だけだった。


それも、かなり深い傷を負っていた。2体のガーゴイル達は恐らく四人の英雄達の一人に見つかり、強烈な一撃を受けてしまったのかもしれないと。


それと、亡くなった仲間達のメモを2枚受け取った。


メモに書かれていたのは、26万を現す絵と、無数の人→○を表す絵だった。


負傷した二体のガーゴイルに、このメモについて聞くが、何を意味するのか全く分からなかったが、ある街で人間同士が争い、倒れた人間を複数の人間達が襲い、食すると聞いた。


人間同士で争いがあると聞いたが、共食いするとは聞いたことがなかった。


青年は何か不吉な事が起こり始めたと察知した。


下界に降りてから、仲間の情報を元に訪れた町で、何か手がかりがないか調べていた。


ガーゴイルによると奴らが活動するのは完全に日が沈んだ時間帯から徐々に姿を現すとのこと。

人間と魔物達との争いは終わったけど、人間達にとって世界が平和になった訳でもなかったのか。


時間がかかるけど、手ぶらでという訳にもいかない。


街には血の痕跡しか残っていない。恐らく全てを食い尽くしてしまったのだろう。食欲旺盛なその生き物は日の当たらない鉱山の中に身を潜めているに違いがない。


なぜなら、仄暗い穴の中から彼らが放つ異臭と唸り声を感じるからだ。


青年の元に一匹のスライムが近づいてきた。


「どうだったスラミン?何か手がかりはつかめたか?」


「特に何も、、、争った形跡だけしかない」


「それで、血の解析は?」


「成分解析したら間違いなく人間の血だ。ただし、何か汚染されたような血だ。この血を宿した者達がここに住む者達を食い殺したと思う。」


「それで、奴らは元々は人間だったのか?」


「その可能性は非常に高い」


「・・・・・・そうか」


「エレンは僕達側なんだし、この世から人が消えても問題ないんじゃない?それに彼らは主の命を奪った宿敵なんだから」


「それは分かってる。人間達を全て殺してでも父の仇はとりたい!はずだったけど、これは人間が仕掛けた事とはどうしても思えないんだ」


エレンの父親は魔物達の王であったが、4人の英雄達によって殺された。


母は人間であったが魔王に魂を売った罪でエルドア王国に連れていかれ、その後はどうなったのか分からない。



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