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入学式4

チャイムが鳴り終わる寸前に教室に入る。

教室の視線が自分に集まってしまった。

でも、その注目はすぐに後ろに移った。


ああ、自分以外にも遅れてきた人がいたのかな。

じゃあ、目立ってないよね?


思った通り、数人ほど自分の後ろから入ってくる。


教卓にいる鮎川先生は特に気にする素振りを見せず、

席に着くのを待っている様であった。


自分の席に急いで向かう。

その時、教卓と最前列の席の上に、

教科書とタブレットが並んでいるのが目に入る。


おっ遂にきたな!

貞変高校はこうじゃなくちゃな。


鮎川先生は生徒が全員席についたことを確認するとHRを始めた。


「じゃあ、最前列の人は後ろに教科書とタブレットをまわしてください。」


「皆さん、入学説明会などで聞いたと思いますが、この貞変高校は、国家戦略特区の試験高校として、公立高校と企業の合同で様々な授業を試していくという方針をとっています。」


「1人一台のタブレットが学校より貸し出され、インターネットや通信を活用した授業方針を取っていきます。」


「ほとんどの授業がタブレットを使って、ライブ配信で受けたり、録画動画を見たりできます。」

「ただし、それぞれの教科の方針については、教科担当の教師に任せられていますので、それぞれの担当教員の説明を聞いて授業を受けてください。」


「私の英語の授業では、発音に重点をおいてやっていこうと思っています。」

「楽しみにしていてくださいね。」


鮎川先生は教室を見回す。


特に男子を見ていたような気がする・・・。


「病気や怪我の場合でも家やベッドの上で授業を受けることができます。」

「家で授業を受ける場合は、連絡を忘れないようにしてください。」


「タブレットには教科書や資料がすでにダウンロードされています。」

「もちろん、配布した紙の教科書で授業を受けることも可能です。」


「ただ、緊急連絡などはタブレットを通して行うことがあるので、タブレットもしっかりと活用してください。」

「HRで配布する資料などは、学校に来ている人にはプリントの配布を行いますが、各自でプリンターで印刷することも可能です。」


「ここまでで質問のある人はいますか?」


「・・・」


「では、タブレットの設定の説明をします。」

「まずは、タブレット自体のユーザー登録と授業に使うアプリへの登録を・・・。」


「では、皆さん設定が終わりましたね。」


「因みに、タブレットにはGPSが内蔵されていますし、エッチなサイトは見れないように制限されているので、変なことには使わないように気を付けてください。」


「また、タブレットの調子が悪い場合がこちらに申し出てください。」


「あとは、飛び級制度や進路相談、カウンセリング、学習相談の制度がありますが、後日説明します。気になる人はタブレットで制度の解説も見ることができるのでチェックしてみてください。」


説明を聞きながら、タブレットを設定した。


学校の制度については、学校説明会とかと変わらないか。

安心した。

これからどんな授業が行われるの気になるな~。


そんなことを考えていると隣から声を掛けられた。


「ねぇねぇ、シャツ出てるよ。」


あ、ほんとだ。

トイレで考え事し過ぎたか。

誠のやつ言えよな。


「ありがとう。」


そう言いながらシャツをしまう。


「あっ!」


「ん?何?」


「い~い~、ごめん、なんでもない。なんでもない。」


隣の女子が何かに気付いたようだが、聞き返すとなんでもないようだ。

顔赤いけど、何でだろ?


「と、ところで、名前なんて言うの?あ、ごめん、私は野田彩子(のださいこ)。よろしくね。」


隣の女子が誤魔化すように話しかけてくる。


「俺は山野季一郎。よろしく。」


鮎川先生の話がまだ続いているので、そこで会話は終わった。


話かけられてちょっとうれしく感じながら前に向く。


あれ、今、こっち見てなかったか?

気のせいか・・・。

前の席の女子がこっちを見ていた気がした。


「では、今週の予定は、明日は新入生歓迎会、明後日は、身体測定。」

「その後は、各授業の説明と委員会のクラス委員の選出などを行います。」

「こちらも予定を確認したい場合は、配布したタブレットのアプリで見れます。」


「もう、11時45分になるので、今日はここまででHRを終わります。」

「それでは、また明日、さようなら。」


今日はここまでか。

せっかくだから野田さんとか他の人ともっと話しときたいけど、

筋肉とか、人口の男女比とか、早く家に帰って色々と調べた方がいいな。


「野田さん、さっきはありがとね。また明日。」


「あ、また明日。」


すこし名残惜しいが学校を出て、急いで駅にむかった。


駅につくとホームを確認する。


やはり、男性専用車と書いてあるか。


足元に書いてある表示を見つめる。


帰りの電車は、お昼ということもあり座ることができた。


スマホを開き、WORDS(ワーズ)で姉に連絡を入れる。

ワーズとは、韓国発のSNSで日本を含むアジアに普及している。


<ちょっと聞きたいことあるんだけど、時間ある?>


すぐに既読がついて、返事が返ってくる。


<夕方なら空いてるけど?>

<もう、おねーちゃんに会いたくなっちゃった?>

<もう学校終わったの?>


<学校は終わった>

<いや、聞きたいことあるから、電話したいんだけど>


<わかった>

<じゃあ、5時以降なら大丈夫だから>


最後にてきとうなスタンプが送られてくる。


姉は大学生である。

今は、サークルの新入生勧誘の準備が忙しいらしい。


でも、相変わらず返事早いな。

ほんとは時間あるんじゃないか。


時間ができたので、スマホで男性専用車について調べる。


男性専用車と検索をかけ、インターネット百科事典Awipedia(アウィペディア)で、

男性専用車両というページを見る。


やはり、男性専用車は男性専用だよな。

しかし、女性専用車両は今はないみたいだな。

なんでだろ。

そんなことを考えていると、家の最寄り駅に着いた。

毎日投稿しようとしましたが、さっそく昨日挫折しました。

毎日更新している人はすごく尊敬します。

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