変化と孤立
自分がうつ病だとハッキリしたのはすぐだった。医者に診断書を書かれて精神安定剤と睡眠薬を貰った。
暫くは薬が効くまで波のある日常だった。だいたい1ヶ月周期で体調が目まぐるしく変化し、私はそれに振り回されながら、時に振り落とされつつも毎日が過ぎていった。
私にとっては朝は地獄だった。まず、夜上手く眠れないため眠い。そして体はなにもしていないにも関わらず疲労感に襲われた。何より酷かったのは、吐き気が続いたことだ。起きたら吐く。食べたら吐く。この症状は夜にも起こったためその都度お手洗いに駆け込み、いつの間にか、私にとって食べることと吐き出すことはセットとなっていた。当然食欲も減り、ご飯一口で十分だった。
他にも私の行動に変化があった。一つはリストカットだ。勇気のない私は、カッターではなくハサミで、それ切れ味がよくなかったので繰り返し繰り返し傷付けた。
昔、リストカットをしていた友人がいた。当時の私には何故そんなことをするのか理解に苦しんだが、今となってはわかってしまった。
また、自殺未遂もした。いわゆるODというやつだが、ここでも勇気のない私は、数十錠飲んだだけで、手汗程度の結果に終わった。
プライベートな変化はこんな感じだった。
瓶の方は距離を保つことにした。
調子のいいときは出来るだけ瓶に向かい、私としては頑張っているつもりだった。
しかし番人はそんな私を認めなかった。そして激しい論争を繰り広げることになった。
私はどんどんと孤立していった。周りにむやみに病気のことを明かすわけにもいかず、同胞とは距離が生まれ、番人とは揉めたままで、私の心が休まる場所はどんどん減っていくばかりであった。
私にとって何より辛かったのは番人のことが信用できなかったことだ。こちら側に理解を示さず、こちらから相談するとわからないの一点張りだった。
そんな私は決めた。少しでも多くの味方を増やそうと番人の周りから固めていくことにした。一人ずつにありのままを喋り、できる限りこちらの味方になるように仕向けた。実際のところ効果があったのか定かではないが、それでも私の気はずいぶんと楽になった。
そして季節は変わり、夏へと向かっていった。