ステータス
ゆらゆらとした揺れを感じる中目が覚めると俺は鬱蒼とした森の中にいた。
見渡す限りの草木、それは地球にあるそれと似たようなものだったが自分が異世界にいることを実感するには十分だった。なぜならーー
やばい!どうする?これってゴブリンってやつだよな?なんで俺がそんな奴らに運ばれてるんだ?餌か?餌として認識されちゃったの俺?それとも巣に連れ込まれて○○○とか○○とかされちゃうの?ゴブリンってそっち系でしたっけぇ?!
いや、ここは取り敢えず助けを呼ぶべきでは?俺じゃあこいつらを倒せるかまだわからないし…でも、これ人いるのか?
10はあるであろうゴブリン達に囲まれたなか、森を一通り見渡してとても人が住むような場所ではないことを再認識した。と同時にだんだんと暗くなっていく未来も認識したのだった。
はぁ、終わったわ。一か八かで逃げ出してみるか?勝てるとは思わないしなぁ。でもやるしかないか!
決意を固め逃げるために構えをとったその時ーー
「うわっ!」
殴りかかろうとしたゴブリンの頭が吹き飛びそれを機に次々と周りのゴブリンの頭も宙を舞っていく。それに気がついた残りのゴブリンが逃げ出そうとするも儚く散っていった。
「どうなってんだ?もしかして俺の隠された力が目覚めちゃったりしたわけーー」
「大丈夫ですか?」
「わわっ!は、はい!大丈夫でふ!」
自分のかなり恥ずかしいセリフが聞かれた可能性に恥ずかしくなり慌てて返事をした結果盛大に噛んでしまったことにまたも恥ずかしくなりつつ振り返るとそこには長くサラサラとした銀髪にキリッとしたつり目、スラリとした鼻に抜群のスタイル、いや胸は少々小さいか。そして極め付けには長く尖った耳を持っている女性が短剣を手に持ち立っていた。
「よかったぁ。貴方がゴブリンに運ばれていたから慌てて倒したんだけど無事だったみたいね。それにしてもゴブリンも倒せないのになんでこんなところにきたのよ」
「い、いやぁ、どうやら記憶がないようでわからないんですよね、ゴブリンってそんな弱いんですか?」
「そうなの?それは災難ね、そうよ、ゴブリンは新人の冒険者とかが初めて倒す相手でかなり弱いわね。貴方は何にも覚えてないわけ?変な服きてるし」
「あぁ、自分の名前くらいしか覚えてないな、悪いが色々と教えてもらってもいいか?」
そんな雑魚モンスターにビビって女の人に助けられたことにショックを覚えるも記憶喪失を装ってこの世界のことを聞き出そうとする
「へぇ、名前だけしか覚えてないとか珍しい忘れ方なのね、まぁいいわじゃあステータスの見方から教えてあげるわ。あ、私の名前はリリィよ、貴方は?」
「真だ」
「シンね、わかったわ。まず『オープン』って言うと自分のステータスが見れるわ、そうしたら何かわかるんじゃないかしら」
初対面の人にも関わらず良く接してくれるリリィちゃんに感謝しながら『オープン』と唱えると自分のステータスが見ることができた。
白石 真
レベル62
HP:1300
MP:3400
守備:117
筋力:129
敏捷:154
スキル
魔法創造Ⅹ『魔法を作り出す。仕組みを理解したものなら可能』
剣術Ⅶ『剣を上手く使える』
体術Ⅴ『体術が使える』
危機察知Ⅸ『危険をいち早く感じることができる』
……俺なんか結構育ってね?