変な人
どうなってんだ……俺はたしか子供を助けようとして……クソッどうなってんだ、ここは天国とやらか?
なにもない、ただ真っ白な空間でポツポツと、あの時降った雨のように記憶が蘇っていく。
そう、たしかに俺は子供を助けようとしてトラックに轢かれた、はずだ。
「………く……んだよ……………に…」
ふと聞き取りづらい声がかすかに聞こえた
不審に思い方角も右と左という概念すらあるのかわからないただ白い空間を声の方向へと近づいていくと1人の少年がいた。いや、少年ではない、威圧的なオーラを纏った「なにか」であった。
その「なにか」は俺に気づくと声は高くも重く突き通るような声で話しかけてきた。
「やぁ、君が真君だね。僕はこの世界の神様。あ、地球の神じゃないよ?この星の神様とでも思っていてくれ。」
「その神とやらが何の用だ?」
突如起きた予期せぬ事態に警戒心を隠しきれずにそう言い放つと神はふふっと笑った。
「どうやら君は神というものにあまりいいイメージがないようだね。まぁいいや、君にはね、この世界を救って欲しいんだ。もちろんそのための能力もあげるし救ってくれたらご褒美をあげるよ」
真顔なのか笑っているかもわからない顔で話を続けた
「だから任されてもらっていいかな?」
「ダメだと言ったら?」
「このまま君は死んじゃうし君のお友達も大変なことになっちゃうかも」
「どういうことだ?」
動揺を隠しきれずに震えた声でそう問いかけた。つぅ、と自分の頬を汗が伝っていくのを感じた
「んーとね、僕は君に対して転移魔法を使ったんだけど君なにか大きな衝撃を受けたでしょ?それで僕が君にかけた魔法陣が歪んじゃってさ、君のお友達まで巻き込んで転移させちゃったんだよね、しかも君の到着する座標はここで設定してたけど流石の僕もとっさに3人の座標までは決まらなくてさ、でも君が助けた少年とトラックの運転手は魔力が足んなくて転移できなかったみたいだから転移してないよ」
長々と説明をし俺の方を見据える神
もはやこいつが神なのか怪しくなってくるほど容赦がない
「じゃあ俺には転移するしか道はないってことか」
そういうと神は顔を明るくし「そういうこと!」と言った
「じゃあいってらっしゃい!」
「ちょっとまて!その国の名前とか言語とかーー」
「行けばわかるさ!」
話を突然切り上げ再び転移魔法を発動しようとした神に慌てて質問をするもそう告げられて意識を手放した
前置きが長かったかもしれませんがこれから異世界での生活を書かせていただきます!