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初めての魔物討伐

「おはようございます御者さん、遅くなりましたが自己紹介してもいいでしょうか?

 僕はフェルディナンド・アルフ・ミルフォードと申します」


「ええ?私ですか?ただの平民ですよ。名前はビルって言います」


「これから魔法の国に着くまでよろしくお願いしますね」


「はい。運賃は多いくらいに頂いてますので荒事でなければ

 いくらでもお使いくださいフェルディナンド様」


「では早速お聞きしたいのですが」


「なんでしょう」


「ここから最寄りの町や村などの安全な場所まではどの位かかりますか?」

 

「ええと、1時間程度の所に村があったと思いますが・・・行きますか?」


「はい、ビルさんがそこに行って夜馬車を走らせる為に睡眠をとって来て

 欲しいのです。今から十時間ほど空けてまたここに来て欲しいのです」


「よろしいのですか?基本的に先払いした時は御者は仕事を終えるまで

 別行動はさせないのが普通なのですが・・・」


「いいですよ。国からの依頼を無下にする事は無いと思っていますし

 仮に騙されたとしても村まで行ければどうにかなるでしょうから

 地図も持っていますしね。」


 と返すとアデルが反論をしてくる


「あの、フェル様村にも馬位あるでしょうが売ってくれるかは別問題です

 ですので徒歩で移動するという事になります。馬車で七日と言う事は

 徒歩ではその5倍は掛かると見て下さい。まあ時間を考えなければ

 不可能では無いのですが・・・荷物もありますし厳しいですよ」


 ああ、そうか。荷物が無い状態で野宿とかもする羽目になるのか

 ちと軽く考えすぎていた。でも時間効率を考えるとなぁどうしよ  


「じゃあこうしましょうか」とビルが話を振ってくる

 

「自分が貰った先払いの報酬を一度返します、それで報酬は

 仕事を終えた時にもう一度下さい。と言う事でどうでしょう」


「名案です!では僕も安心を貰ったお返しに報酬時に色を付けると

 約束しましょう。まあそこまで多くは出せませんが」

 

「またご贔屓にしてもらえるかと打算もありましたが

 まさかまだ報酬を上げて頂けるとは。ありがとうございます」


 と、話がついて必要な物を馬車からおろしてビルには移動してもらった

 そして俺はこのまま街道沿いにある森に入っていくのだろうと思って

 アデルに尋ねてみた


「あのちょっと遠目にある森を目指せばいいのかな?」 


「はい、あの森には三種類の魔物が生息しているはずです

 レベルは下が20上が60ですが平均は30程度です

 おそらく40上の魔物とは出会えないでしょう。

 ですがフェル様はまだ16レベル20付近が出てくるまでは

 私が討伐しますので私の背後に立ち警戒をお願いします」


「ふと気になったのだけど同レベルの人と魔物

 高級でない通常の武装で考えてどっちが強いの?」


「当然、魔物ですよ。一対一なら最低プラス10レベルで

 考えろと言われています、性能の差はあまり無いそうですが

 死を恐れず全力を出し続けるという所が魔物の強みなので」


 なるほど。聞いておいて良かったーええと1レベルの時30レベルと

 同格と言う事は16レベルで46レベルと考えて良いだろう

 安全マージンで40レベルと考えてレベル30まではイケそうだな

 いや。最低と言っていたしそれも含めて20レベルなのかな?

 

「分かりました、ですが魔物のレベルはどうやって判別するのですか」


「ええと、彼らのステータスは常に共有状態になっています

 と言ってもレベルと種族、年齢しかオープンになってませんが」


「じゃあ見たいと思うだけで表示されるのですね、便利だなぁ

 それと軽く剣舞でもしませんか?はやる心を沈めたいので

 ちょっと追い込んで貰えませんか」


「それは危険ですね、少しと言わず汗を流す位しましょう

 では剣を一つ貸して下さい」


 と予備の方の剣を所望するアデルさん、考えてみたら木刀が無い

 まさか真剣でやるのかな?と思っていると見透かしたのか

『鞘の方だけでも構いませんよ』と付け足してきた  

 ですよね~と思いながらも鞘だけを渡し剣舞を始めた


「え?あれ?最初から全力ですか?」


 と軽く避けながらもびっくりした様子で疑問を投げかけてきた


「え?いや、いつもはここから上げていくのでつい・・・

 飛ばし過ぎだったかな?」


「いえ、同年代のそれなりに鍛えている子よりも早かったので

 まだ上げていけるなら構いませんよ」


 アデルの同意を得られ安心して主導権を握ったまま上げていく

 彼女の動きに余裕が無くなって来たのを感じたと思い

 避けにくい場所を狙っていくと彼女の目つきが動きと共に変わり急激に

 速度が上がり連続する攻撃の対応は不可能と感じ距離を取ってしまった


 剣舞では攻撃を返せない範囲に出るのは終了の合図であり

 それをしたものはその手合わせでは負けた事を意味する


「ま、参りました。流石父さんが選抜した護衛ですね」


「い、いえ、私の反則負けです。流れを無視して主導権を取り

 急激に速度を上げないと対応が出来ませんでした。それすらも

 難なく回避してしまうとは、本当に天からの御使い様なのですね。」


 いや、そんなに大層な物じゃないよ?これが出来るのもスキルのおかげだし

 ああ、でも考えようによっては合っているのか。だけどあの女神は称える

 べき存在では無い、と感じてしまっているから物凄い違和感を感じるのかな 


「なんにせよアデルと真剣勝負をしたら大した抵抗も出来ずに負けると

 言う事は身をもって良く分かったよ。あの本気の速度はやばい」


 おそらくあれは手加減が厳しくなり終わらせる為にやったのだろう

 だからまだアデルは完全に追い詰められた訳では無い。

 まだ彼女には先があると見るの妥当だろう


「いえ、そんなことはありませんが・・・それと一つ

 訂正します、30レベル付近の魔物までは共闘しましょう。

 奇襲で無ければポーションを当てにする必要もないでしょうから。」


 と鞘を返したアデルは少し安堵した表情で森を目指して平原を歩き出す

 剣を収め装備し直した俺も後に続いて歩き出す


 そうして森に入り、わずかに平原が見えずらくなって来た所で

 初めての魔物に出くわした。魔物の数は三体

 魔物はこちらに気が付いていない様子

 顔が細長くアリクイの様な面持ちで体はゴリラかなり強そうに見える

 一匹の魔物の名前を確認したところ


 種族 スモールゴリアン

 性別   男

 年齢  4歳

 レベル 36


 他の魔物も30レベルと32レベルと抜けた者はいない様だ

 アデルを覗き見ると彼女もこちらを見て頷く、これは参加オーケーって

 事だろう。だが俺は踏み出せないでいた、足が竦んでいたのだ

 俺はいつの間にか独り言を呟いていた


「俺はあんなでも女神の力をこの身に宿しもの」


 と自然と一歩、足を前に出し、無意識にいつものポジティブシンキングを

 しようとしていた事と、体が動く事に驚きながらも続ける。


「あの二人の子であり、あの母に鍛えられた者」


 と剣を抜き少しずつ加速する


「あれは敵であり、あれにとって俺は敵である」


 加速と共に思考も加速させた所で、魔物がこちらに気が付いた。


「大丈夫だよ。俺は強い、すぐに終わる。」


 と自分に言い聞かせ三体の魔物達は気が付き次第、次々と

 距離を開けながら走って向かってきた。最初に到着した魔物は

 掴みかかる様に襲ってきた。魔物の手を紙一重でかわし

 そのかわす動作を利用しながら敵の胴を全力で裂いた。


 血しぶきが上がり前のめりに倒れた、距離を取り

 次の魔物の相手をする為に遠い距離に居る魔物と

 近くに居る魔物の直線上の位置に移動する。


 そして近づいた魔物は声を張り上げ威嚇してきた

 俺には物凄く有効な手を打ってきた。野生動物の威嚇って

 物凄く怖いんです。そしてこいつは魔物さらに怖い


 ちらりとアデル先生を覗き見ると見ほれた様に頬を赤らめ

 槍の中心辺りを両手で持ち、と言うより両手を胸に当て

 そのついでに槍を持っている様だ。戦う気は無いらしい 

 どうしてこうなった。


 と加速させた思考とは言え時間は止まっていない。魔物は襲って来ていた

 赤ん坊の頃に落下した時の感覚に似ている、恐ろしい衝撃が

 ゆっくりと襲って来ている。だが次の瞬間俺は気を取り直した

 あの時と違い回避する為に出来る事は沢山あったのだ


 だがやはり怖かった俺は、相手の攻撃手段の手を切り落とし

 そこから首を落とした。


 そして最後の一体をやろうとそのまま予測位置に剣先を向けると

 もう終わっていた。アデル先生の槍が敵の胸を貫くと同時に抜き

 抜いた瞬間、即後ろに飛び俺の隣まで来ていた。


「あ。あの、ごめんなさい。共闘のはずだったのに

 フェル様の立ち振る舞いに見ほれてしまいまして・・・・」


「ええ?先生の槍術の方が断然凄かったですよね?」


「せ・・先生は止めて下さると・・・」


「いやいや。行けと指示しておいて、槍も構えずただ応援している

 様子でしたから。先生なりのスパルタ教育なのかと思いましてね」


「ご・・・ごめんなさいごめんなさいごめんなさい

 何でもします何でもしますから・・・」


「ん?今何でもす・・・いやそうじゃないだろ俺、自重しろ。

 女の子がそんな事を言ってはいけません。体を大切にしなさい」


「私の体何てどうでもいいんです、価値なんて戦う以外にありませんから。

 そんな事より償いをさせて下さい。何でも言いつけて下さい」


「よし。じゃあ耳と尻尾を自由に触らせろ!」


 はわわ、俺は何を口走っているんだ。獣人にとって大切な場所を・・・

 性的な意味を感じるかは人それぞれらしいが普通は触らせない所だ

 下手に出過ぎるからつい口走ってしまった・・・


「はい、分かりました。ですがそんな事でよろしいのですか」


 そんな事じゃないぞ。っていいのかーい、普通に嫌がってなさそうだし

 やったね、これから気兼ねなくモフモフさせて貰おう。まずはあれだな

 ブラッシングからだ。


「アデル、僕楽しみにしてるからね。やっぱ止めたは無しだよ?」


「はい、償いですから痛くても耐えます。好きにしてください」


「いや、痛かったらちゃんと言ってね?」


 アデルは俺がしたい事が理解出来ないのだろう、今も首をかしげている

 まあおいおい理解してくれるだろう、思う存分もふってやる


「この件は話が付いたので置いておくとして、自分で言うのもなんだけど

  初めての魔物討伐にしては上手くいったほうじゃないかな?」


 と発言して思い出した経験値どれくらい増えているのだろうか?

 とステータスを出し経験値残量を確認すると464も増えていた。

 

 レベル差があったから正確には分からないけど一匹200以上だ

 2匹倒すだけで修行を頑張った日の10日分は稼げたのだ

 凄いホクホクな気分になり索敵を続行するように促そうと思っていると

 

「上手く行ったなんてもんじゃないですよ、普通なら逃げるだけで

 精一杯、絶対に勝てない格上相手に二対一で圧勝したのですから

 これなら油断さえしなければ安心して共闘出来そうです。」


 とアデル先生も乗り気の様子、時間もまだビルと別れて2時間程度

 残りの八時間の時間割りを提案してみた。


「じゃあこのまま続行させて貰うとして、時間割りを決めようか」


「戦闘と休憩の配分ですか?」


「うん、肉体労働に休憩は必要でしょ?」


「はい、ですが・・・どの位狩りをするのでしょうか?」


「ビルさんが帰ってくるまでだけど?」


「・・・」


「ダメかな?」


「いえ、そう言う訳では無いのですが・・・依頼も報酬も無いのに

 そこまで魔物を狩るという話はあまり聞かないもので・・・」


 まあ、命がけだものね。でも8時間位普通なんじゃないかな?

 ネトゲ感覚だと休憩無しで12時間超えてからがガチ勢なんて

 話も聞いた事あるし、まあ、ただのゲームと同列に語るのも可笑しいか・・・


「それはただ、普通の人はそこまでするなら勿体ないから依頼を受ける

 というだけの話じゃないかな?僕には事情もあるのだし」


「では一時間索敵と戦闘をして一時間休憩を入れる感じでどうですか?」


「え?そんなに?」


 休憩多くね?さっきの感じだとなれちゃえばそこまで重労働でも無い様な。


「では・・・一戦したら適当に休憩を入れて再開するという事で・・・」


「いやいや、二時間戦闘したら10分休憩でいいんじゃないかな?

 それと別でハードに感じたら自己宣告で休憩をとれば・・・」


「仕事よりハードですね・・・肉体労働で無くても二時間で30分は

 休ませてもらえますよ?」


 何その世界、優しい。ちょっと俺、異世界行ってくる。ってもう居た!

 ・・・・・これは一人だと寂しいものがあるな、コメントで打つものだ

 

「ダメかな?」


「いいえ、私は好きですよ、黙々と作業をするの。」


「一緒だね、じゃあ行こうか」


 と、索敵を再開した。そこからの戦闘はさらに効率が良かった

 アデルは共闘と言いながら完全に寄生プレイをさせてくれた。

 流石78レベル多い時で4匹の敵を引き付け、俺が倒すと同時に

 一匹ずつ解放してくれたのだ。


 索敵も残り一体になった瞬間居なくなり敵を引っ張って来てくれる

 経験値の増加量がやばすぎる、だが問題が一つある・・・・

 俺はほぼ動く必要が無く、寄生プレイ感が強すぎる。と言うか

 申し訳なさで一杯なのだ。


「ええと、アデルさんちょっといいでしょうか?」


「あ、休憩ですね?分かりました」


 いいえ、分っていません、違います。


「いえ、僕にももう少し役割と言うか仕事下さいと言うか・・・」


「ええ?何故ですか?」


 何故君が驚く!驚いた事に驚くわビックリだわっ


「いや・・・考えてみてよ、人に仕事をさせて自分はほぼ何もせずに

 自分だけが今儲けている状況なんだ。経験値を、だけど。」


「あー、んんーでもですね。引き付ける敵のレベルの調整とかもありますし

 強い敵だけを撒いたり、倒したりしないと危ないですし。」


 うはっあの短時間でそこまでしてくれてたのかいっアデルさんマジ天使

 ふむ、ここは甘えるか・・・余計に負担掛ける事になりそうだ・・・


「そうですか、ではもう少し強くなるまでは甘えさせて頂きますね」


「甘えるだなんて、当然の事です。使って頂ける事が私は嬉しいのです」


 その崇拝はどこからですか・・・王子?天の使い?

 確かめて訂正せねば、このままでは俺はすぐ堕落する事だろう

 そうか。リーアはこんな状況に身をゆだね続けて、ああなったのか


「アデル、いつかは君を、僕に甘えさせてみせるからな」


 と宣言し狩りを再開した。その後のアデルは困惑した様子で

 少し動きが鈍い気がしたが、俺は戦闘だけに集中して時間が過ぎて行った


 そして日は完全に落ち切り、狩り終了の時間になった。


「アデルのおかげで初めての魔物討伐がとても順調だったよ。

 ありがとう」


 本当にいい経験になった、これなら12時間でもやれそうだ

 まあそれを本格的に計画するのは一人で索敵と戦闘をこなせないとだけど

 

「いえ、すべてはフェル様のお力です。ですが本当にあれから

 休憩5分でしたが、お疲れになっていませんか?」


 俺はほとんど動いていない、一匹ずつ

 楽に倒せる魔物を相手にしただけである。


「ああ、ごめんね。僕はあまり動いてないから大丈夫だけど

 アデルは疲れたよね。これからは気を付けないとね」


「そんな、私も全然大丈夫ですよ。レベル的にもかなりな格下ばかり

 でしたから。格上相手になると疲労はケタ違いにあがりますが・・・」


 格上か、20レベル上であれだったから

 俺にとっては大体40レベル上くらいだろうか?


「アデルは何レベル上まで相手した事あるの?」


「今日のフェル様と同じですね、20レベル上の相手までです。

 その時に右目を失いました。やっぱりフェル様は凄いです」


「そっか、やっぱり避けられない戦いだったの?」


「いいえ、調子に乗っていただけですよ。ただ贅沢をしたくて

 お金を稼ぐ為に自ら向かって行きました。自業自得です」


「贅沢ってどんな事がしたかったの?」


「ええと、野営では無く宿を取ってですねぇそこから外食で

 お腹一杯好きな物を食べて装備とは別の服を買いたいと・・・

 分不相応でした。ギルドの人に怒られてしまいましたよ

 他の皆はこつこつとレベルを上げているんだと

 それまで我慢しているんだと、お前は死んで当たり前な

 行動をしたんだ、泣いていないで神にでも感謝しろって」


「それが・・・贅沢か、俺は・・・親から金貨50ももらって

 馬車で移動して高級装備で身を包み・・・・・

 そんなアデルにこんな狩り方させたのか。」


 俺は言葉にしてから後悔した。ただでさえ身分の差を

 気にしてしまうアデルをさらに困らせてどうするんだと

 だが


「私、今楽しいんですよ?ううん、今日が・・・フェル様に

 会ってから。私、この傷だらけの顔のせいで友達どころか

 笑顔で話をした事すら最近はほとんど無いんです。

 いつも話す相手はいたたまれないと言う顔です。」


 そうか、いや俺も最初はいたたまれない気持ちになった

 けど話してるうちにすぐ消えた、けど普段なら違ったかもしれない

 会話が続かず席を外し、時間がたってしまえば、同じ事を繰り返すだろう

 彼女はそんな事が日常にあったから、今日が楽しいと思えたのだろう

 ならば、と俺は気持ちを隠す事を止め、本心を言う事にした

 

「俺も最初は思ったけど、今は気にならないな。

 それより早くアデルの毛並みを堪能したい。」


「ふふっなんですかそれ、そんな事よりもっと私に色々

 命令してください。フェル様のお役に立ちたいです」


「命令を要求するとか、どんだけ俺の事が好きなの?

 俺も好きになっちゃうぞ」


 うわ、何言ってんだよ俺、気持ちを隠さないってこうじゃないだろ

 冗談の妄想的思考もダダ漏れとかちょっとやばいから

 

「え?あ、いえ・・・」


 あーうつむいちゃったよ・・・5歳児補正で

 許されると思ってた時期が僕にもありました。


「アデル、僕と友達になってくれないかな?」


「そ・・・それはダメです、主従で友達なんて」


「護衛だけどまだ主従じゃ無いし」


「いえ、私は軍属ですし王子様の護衛を言い使った時に

 フェル様の従者と言う事にもして頂きましたので」


「じゃあ分かった、それでいいよ命令する。肩書とか言葉とかは

 まあどうでもいいや。一緒に飯食って、遊んで、笑って、

 むかついたらちゃんと怒って欲しい。あと遠慮も禁止ね

 ダメな時にはダメだと言うから我儘もちゃんと言って。」


「それは、命令なのですか?」


「うん、これは命令です。王子様の命令は~ぜったいっ!」


「怒れるかは分からないのでちょっと不安ですが・・・

 ですが、はい、フェル様の命令は絶対ですっ。」


 あれ・・・そこ復唱するんだ・・・

 ああ、今のうちに思いついたことは言っておこう。


「そうだ、ねえアデル」


「なんですか、フェル様」


「もしも部位欠損が治る秘宝や秘術が手に入ったら

 アデルに使うから、そのつもりでいてね。拒否は許さない」


「ええ?そんな重要な物を私に使ったら怒られちゃいますよ」


「大丈夫、俺王子様。アデル拒否権無し、誰も怒られない

 と言うかまあ手に入らないから秘宝とか秘術って言われるんだし」


「あ~そうですね。分かりました、ありがとうございます」


 とアデルは気持ちを受け取りましたと言う様に答え俺は追い打ちを掛ける


「分かったって言ったかんな、忘れんなよ。」


「なんか・・口調が変わりましたね。一人称も俺になってますし

 私は僕の方が似合ってて可愛いと思います。」


 ちっ、気が付いていたか、いい加減言葉を選ぶの

 疲れるんだけど・・・もう少し頑張るか


「アデルには完全に心を開いて隠し事は無しの

 方向で行こうと思ったけど、もう辞めた。」


 と少し意地悪な八つ当たりをしてみた


「ええ?なんでですか?」


「秘密ですよ、アデルさん。あ、ビルさんが来たようです

 では、参りましょうかアデルさん」


「なっなんでですかぁぁー」


 なんか良いノリになって来たので説明はしない事にした。

 そして馬車に乗り込みモフモフする事を忘れ寝てしまった。

 

 この日の討伐数85匹


 取得経験値数20145


 フェルディナンド・アルフ・ミルフォード


 種族:獣人

 性別:男

 年齢:5歳


 レベル:35   次のレベルまでExp2881 

 残経験値:0


 HP:1870

 MP:1870


 力 :374

 体力:374

 敏捷:374

 知力:374

 知識:374

 魔力:374


 スキル:言語理解 ステータス上昇量向上 魔力量上限無し

     魔力感度Max 肉体資質Max 思考速度上昇


 スキル取得ページへ移行


 魔法 :無し   


 魔法取得ページへ移行


 称号:純潔を守りし者 転生者 異世界人 王子 強者


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