第1章 少年の思い出2
夏の強い日差しがカーテンの隙間から入り込み誰もいない部屋を明るく照らしている。
広々としたリビングに大きめのソファー、食器棚にお洒落なグラスや食器が綺麗に置かれている。
とてもお洒落なリビングなのだが、ソファーに靴下や洗濯物が山積みになっており、テーブルには捨てそびれたアイスのゴミがある。
そんな、誰もいないリビングに響くニュース。
「本日のニュースをお伝えします。昨晩、河川敷での花火大会に出かけた小学生5人の行方が分からなくなりました。
また、3年前からこの街では行方不明の事件が多発しており行方不明者は120人。その行方不明者は全員小学生とのことです。警察は捜索本部を開き5人の捜索を行うとの事です。」
この事件が後に翔たち4人の人生を狂わす事になるとは、この時まだ誰も知らない。
その頃神社では
ベンチに座っている翔、響、織姫、黒羽の4人。
「あっ、そう言えばみんなに話したいことがあったんだ」
そう言うと翔はズボンのポケットから四つ折りにされた紙を取り出して3人にみせるように広げた。
「「「祭?」」」
綺麗に3人で同じ事を翔に言った。
3人があまりにも綺麗にそろって翔に聞いたので、翔は思わず吹き出してしまった。
「そうさ、父さんから聞いたんだけど今週末にここの神社で祭りが催されるみたいなんだ」
翔たちがいつも遊んでいるこの神社はあまり大きな神社ではない。御参りに来る人も少なく、とても静かな神社だ。
街の住民でもこの神社を知っている人は少ないだろう。
翔以外の3人が祭りの存在を知らなかったのもその為だった。
「今週末にやるみたいだぜ」
と言いながら翔は3人に祭りに行くかどうか聞いた。
「うーん、今週末か…。」
響はうーんと言いながら悩み
「うちは、その祭行ってみたいな♫楽しそうだし♫」
と黒羽は楽しそうに言い
「私も祭りに参加したいわ。いつも遊んでいるこの神社での祭を楽しまなきゃね♫」
と黒羽と同じく織姫も楽しそうに言った。
「響、どうするの?」
と黒羽が響に聞いた。
翔と織姫も響の返事を待っている。
響は少し考えていたが、うんと頷き
「僕もその祭に行くよ!」
と元気よく言った。
それを聞いた3人は顔を見合わせ
「「「やったー!!」」」と言いながら喜んだ。
「よーっし‼︎そうと決まれば今週末の祭り全力で楽しむぞ!!」
翔が勢いよく言うと
「「「おーっ!!」」」
と響、織姫、黒羽の3人も勢いよく言った。
そんな彼等の会話を聞いている怪しい影がひとつ…。
ニヒヒっ♫と笑いその影は陽炎のようにゆらゆらと消えていった。
どうも♫富士山 一茶です♫
語尾に♫をつけるのがプチブームになっております。
と言うより、この物語少し女子が多いので誰が誰だか分かりやすくする為に黒羽ちゃんには♫がついております♫
おや?この後書き♫が多いぞ?
♫♫♫♫♫許してニャン♫♫♫♫♫
「「「騒がしいわ!!」」」
第1章は一話一話が少し短くなっております。話も区切りやすいし、読みやすいと思います♫なにより、作者の負担が少なくて助かる…。
1章は翔の過去話で少し暗い雰囲気です。
ですが、この第1章があってこそ物語の歯車が動き出すので皆様もうしばらく温かい目は続行でお願いいたします。