活動報告より(2015・12・24)
確か小中学校の頃、童謡の替え歌を作るのが好きだったんですが……
その頃、口ずさんでいた替え歌を元に文章を書こうとして途中で着地点を見失い、放置していたものです。
続きを書く気力がないので、ここにそっと放流します。
元ネタはクリスマスソングです。
『ママがサタンにキッスした』
――それは昨日の夜。
佐竹のおじさんが重い男を肩に担いで……
そうっとお部屋に入ってきたら。
「き、きゃぁぁあああああああっ パパぁぁあああっ!?」
ママ、絶叫。
どうやらあの重そうに担がれている男は、私のパパのようです。
パパ、ひさしぶり!
実際に私がその姿を認識するのは、6年ぶりくらいかもしれません。
私、いま7歳だけど。
正直、幼かったせいか記憶が薄くて判然としません。
あれってパパ本人?
ちらりと窺ったママのお顔は真っ青。
うん、どうやらパパ本人で間違いないようです。
「やるね、佐竹のおじさん! どうやってパパを征したの?」
ちょっとその手腕が気になる。
出来ればどんな手際でパパを捕獲したのか、教えてほしい。
「違うんだ、ヴェルヘルミナ! 私ではないんだ!」
「え、往生際悪いよ? 佐竹のおじさん?」
おじさんが倒したから、そうやって肩に担いでいるのじゃないの?
私のパパ(推定)を肩に俵の如く担いだまま、佐竹のおじさんはあわあわと慌ただしく両手を振っています。
うん、あんな重そうな大の男を担いだまま、余裕だね!
どうやら私が想像していた以上に、佐竹のおじさんは力持ちのようです。
最近疲れやすいから、そのスタミナを分けてほしい。
とにもかくにも、佐竹のおじさんは私のパパ(推定)を担いだまま。
俵の如く担がれたパパ(推定)は、ぐったりと蒼い顔。
どう見ても、意識不明瞭。
まるで死人のように土気色だけど、まさか死んでないよね?
ちょっと怖くなる私の横を、びゅびゅんと何かが通り過ぎました。
あ、ママ。
――ママは、両の手に包丁を握りしめていました。
腰だめに構えて、一目散に猛突進。
向かう先、狙いは佐竹のおじさんだね。
その胸部だか腹部だかを目掛けて走る姿に、躊躇いは一切ありません。
振りかぶったりと無駄な動作をせず、迷わず体当たりの力を利用して刺そうとするママの姿に、本気と僅かな冷静さを感じ取りました。
うん、ママったら本気だ。
「ぱ、パパの仇―っ!!」
「死んでない! 死んでないよ、志奈子!? 君の夫はまだ生きている!」
「な、なんですって……人質に取られた!?」
「いい加減、錯乱から帰ってこようか志奈子!」
「ああ、愛しいひと……人質に取られてしまうなんて! 私に何を要求する気!? お金? それとも身体!?」
「だから帰ってこようね、志奈子!? その思い込みの強さはそろそろ治した方が良いんじゃないかな!」
「今助けるわ、私の愛しいひと!」
「志奈子さぁぁん!? 人の話聞いてーっ!!」
どうやらパパのぐったりモード全開なお姿を見て、ママは取り乱しているようです。
隙あらば刺身包丁をぶっ刺そうとしてくるママの手を押さえ、佐竹のおじさんは苦戦中。
腕力は圧倒的に佐竹のおじさんが強い筈だけど、我を失ったママの力はどうやら尋常じゃないみたい。
あれかな、普段は脳が抑制しているリミッター、突破しちゃってる?
ちらりと見えたママのおめめは、瞳孔が全開でした。
わあ、夜の猫さんみたい。
「ママ、おちついて……」
「ヴェルちゃん! ああ、貴女のパパが……パパがっ」
「佐竹のおじさんごと刺しちゃったら、パパが床に落下しちゃうよ?」
「ヴェルヘルミナ、そっち!? お、おじさんのことは庇ってくれないのかい……?」
「取り敢えず佐竹のおじさんはパパを降ろそうよ。そうしたらママの関心だって、きっとそっちに行くよ」
「それもそうだね……っ!」
ぎりぎりと力を拮抗させて、組み合う佐竹のおじさんとママ。
口ではパパを降ろしたい素振りなのに、ママが全力でおじさん抹殺に動こうとするのでそれもままならなさそうです。
↓ 以下、この血迷った文に関する創作メモ
クリスマス 修羅場 悪魔 リーサルウェポン包丁
おじさん被害者 幼女 らぶらぶ夫婦
あれは昨日の夜
佐竹のおじさんが 重い男肩に担いで
そっとお部屋に入ってきたら
ママは青ざめ(おののき?)ながら激しく問い詰めて
とても悲しそうにお話してる
でもその男はパパ