悪役令嬢ゴーファイト!!
データを漁っていたら、例によって何か発掘してしまいました。
設定……というか登場人物のメモだけ作って放置していた感じですね。
・あらすじ
王子の婚約者であり、筆頭公爵家の令嬢エステナーぜは自分の婚約者とその取り巻きが1人の令嬢に骨抜きにされ、自分の務めと婚約者を疎かにしている現状を憂いていた。
だからと言って見苦しく浮気相手ばかりを責めるつもりはしない。
勿論、浮気相手の誘惑はあったかもしれない。女が強かなのは今も昔も標準仕様だ。
だが結局は契約で定められた正式な相手がいながら、迂闊にも他所の女性になびいて浮気をした……しかもそれを隠す分別すらない裏切り者が一番悪い。
今ここでしっかり手綱を握っておかなければ、結婚後も同じことを繰り返すだろう。
何よりも、自分達の面子を傷つけてくれたのだから代償は支払ってもらいたい。
そう結論付けたエステナーゼ様は、男達の婚約者であり自分の友人でもある他のご令嬢方とお誘いあわせの上、男達を人気のない校舎裏に呼び出した。
何故か浮気相手を伴って姿を現した男達は、ご令嬢方が浮気相手を呼び出して囲むつもりだと思っていた模様。おやおや、呼び出しのお手紙は貴方がた宛てだったでしょう?
「勘違いなさらないで? わたくし達が吊し上げるつもりなのはそちらのご令嬢ではなく――わたくし達を大っぴらに裏切ってくださった、貴方がたですわ」
責められるべきは強かに立ち回り、男達の気を引いた女性ではない。
まんまと気を引かれてよろめいた、自覚の足りない男共だ。
そうしてご令嬢方は、男共に自分の立場と言動を振り返らせた上でにっこり微笑み詰め寄った。
この甲斐性なし共が。心痛を与えてくれた制裁として、1人1発殴らせろ。
ご令嬢は、婚約指輪を煌かせ、拳を振りかぶった。
・登場人物
令嬢サイド
公爵令嬢 エステナーゼ・紅
王子の婚約者にしてご令嬢方の纏め役。物語の語り手。
高笑いしながら王子を掌の上でころころするのが得意な未来の良妻賢母。
女性優位の男女差別を平然と行う女帝気質の女の子☆
辺境伯令嬢 リスティア・真珠
紅家嫡男(エステ兄)の婚約者。おっとり穏やかな性格と物腰だが、武家である辺境伯の娘。
行動原理が『戦時のならい』を基準にしており敵には容赦が無い。発想が鬼。
ふわふわした女の子らしい外見をしているが、父に仕込まれた関節技が得意。
伯爵令嬢 カトレア・緑青
紫家嫡男の幼馴染。正式なものではないが、幼少期の口約束で2人の将来を誓い合ったことがある。
その思い出を大事にしてきたが、所詮は子供の頃の約束で自分はただの幼馴染だと葛藤している。
僕っ娘でさばさばしているが今の自分に自信がない。吹っ切れると押しが強くなる。
伯爵令嬢 マリアンネ・菫
蘇芳家嫡男の婚約者。儚げで淑やかな妖精の如き美少女だが、それ故に義母から虐待を受けて育つ。
婚約者に依存・執着しており、良くも悪くも婚約者しか見えていない。
心が乱れていなければ常識的なご令嬢だが、婚約者の事で心が乱れると何をやらかすかわからな……だいたい最終的には婚約者を殺して自決しようとする。
今回も婚約者の浮気を噂で聞いた段階で婚約者が寝ている寮を他の男子生徒諸共焼き殺そうと放火しかけたところをエステナーゼに抑えられている。
ヤンデレ。
子爵令嬢 キティ・黄支子
本当は心優しく臆病なご令嬢。婚約者のことも本当は大好きだが、家格に差があることと婚約者が自分よりあらゆる面で立派(だと思っている)なことに引け目を感じており、本当に自分が婚約者で良いのかと思い悩んでいる。
その葛藤から素直になれず、つい婚約者に可愛くない態度を取ってしまうツンデレ令嬢。
素直な部分を出させることに成功するか、その言動の真意を把握できれば物凄く可愛く見えて来る。
浮気者サイド
王子
エステナーゼの婚約者。幼馴染であり、親戚でもある。理不尽な怒りは向けてこないが理由があれば怒りを向けて来るエステナーゼの容赦ない腹パンを恐れている。ある意味調教済み。
公爵家嫡男 グラスフィール・紅
エステナーゼの兄。王子の側近。気の強い妹と気を抜けない許婚に振り回されている。
伯爵家嫡男 バーニング・紫
伯爵家嫡男 セルジオ・蘇芳
婚約者のマリアンネとは初顔合わせの時に一目惚れした仲。関係は良好でマリアンネの事を慈しんでいたが、年々洒落にならなくなってきたマリアンネの色んな意味で重い愛情に戦慄している。
特に1年くらい前、他の女生徒との関係を誤解されて刺されかけてからは特に。
マリアンネの事は愛しているが、気持ち的に最近ちょっと距離を置きたいと思っていた。
そこにつけ込んだヒロインとの浮気が噂になり、いつマリアンネに刺されるか不安に駆られている。
マリアンネに刺されても死なないように鍛えていたら、何時の間にか若手騎士のトップになっていた。
侯爵家嫡男
キティの婚約者。ツンデレ婚約者を屈折した愛で方している性根の歪んだ男。
表面的、対外的には誠実で優しい紳士なのだが、紳士の仮面を外せば色々と黒い。
キティが劣等感からうじうじ思い悩んで迷走していることを知っていながら微笑みと共に放置している。
ヒロインとの浮気は浮気と言うより涙目でプルプルしながら強がるキティの反応を引き出す為に利用していた感じ。こいつが一番殴られるべき。
泥棒猫
男爵令嬢 シルビア・桃
最近、祖父である男爵に引き取られた元庶民の女の子。
爵位は低いが家柄は古く由緒正しく、伝統ある名家として知られる。新興の伯爵家よりは余程貴族社会で一目置かれる家系であり、それ相応に祖父は物凄く厳格。
シルビアの父は祖父の厳しさ堅苦しさを嫌って家を飛び出し、元娼婦のシルビア母と所帯を持った。
一人娘のシルビアを父母はたいそう可愛がり、甘やかして育てるが、その両親が事故死してシルビアは祖父に引き取られた。しかし奔放な両親に気質が似ているシルビアは祖父と性格が合わず、小言を恐れて逃げ回っている。
元娼婦の母に伝授された猫かぶりと媚びの売り方と男心の計算が得意。
互いに親しい6人の高貴な男性をそれと悟らせずに股掛けする度胸と根性、スケジュール管理能力とバイタリティは素晴らしい、尊敬するとエステナーゼを感心させた。




