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小林晴幸のネタ放流場  作者: 小林晴幸
ネタの放流場
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勇者と魔王のしんけんあらそい

謎のネタを発掘しました。

 暗雲渦巻く灰色の空。

 ここの空はいつも灰色で、青く澄んだ空なんて見たことない。

 だけどここが私の故郷。

 この空が、私にとっての……


「――もう我慢ならん! 貴様など離婚だ離婚!」

「私だって……! ダーリンがそんな人だなんて思わなかった! 実家に帰らせてもらいますぅ……っ」

「おうおう帰れ帰れ! というかむしろ帰って下さいお願いします!!」


 ……空を見ながらぼんやり物思いに耽っていると、廊下の向こうから怒鳴り声が聞こえた。

 もうこの頃はお馴染みとなってしまった、いつものセリフ。

 魔物ひしめく、魔族領。

 魔王の住まう魔王城は近頃、夫婦喧嘩の声が途絶えない。

 どうやら今日も、父さんと母さんは修羅場を迎えているみたいだ。

「父さん、母さん、どうしたの? 何が原因で喧嘩してるの」

「ピリちゃん! ピリちゃんは、ママと一緒にいくよね……?」

「ピリオド、母親と一緒に行くのだけはやめておけ。それより、父さんと一緒にこの城に残る方が良いだろう!?」

「あの、ふたりとも私に重い選択を投げかけるのは止めて……夫婦で結論を出してほしいな。どっちと一緒に暮らしたいかって質問なら、父さんだけど。圧倒的に父さんの方がまともだし」




勇者 マオ(女)

魔王 セルジオ(男)

 互いの種族への差別から加速する敵対感情。

 ついに魔王は人間たちの王国を滅ぼすべく軍を上げ、人間は対抗策として魔王を倒す力を生まれ持った勇者を探し出した。

 魔王を討伐すべく、はるばる人間の王国から旅してきたはずの勇者。

 その性格はヤンデレでメンヘラ気味。

 魔王城に突入し、魔王の姿を一目見るなりフォーリンラブ。

 錯乱したとしか思えないが、魔王に挑みかかった仲間達をその場で次々切り捨てる。

 騎士王子「お、俺の腕がぁ……!」←片腕切断

 中年拳士「俺の足が……っ」←片足欠損

 青年賢者「僕の髪が……!?」←髪が……

 聖女「いやぁん、まいっちんぐ~」←服がばらばら

 勇者「ふ、ふふふ……私の旦那様に何をするの……? みんな、きらい」

 ぷっつんきちゃっている彼女には魔物たちですら手が出せない。

 そのまま仲間達を魔王城から放り出し、魔王を魔王城に監禁。

 魔王と魔族たちの人間国家への侵略は結果的にストップとなり、世は平和になった。

 勇者が三年半にわたり愛を囁き続けている内に、魔王がストックホルム症候群を発症。

 偽りの幸せ(錯覚)に満ちた新婚生活を経て、誕生したのが一人娘。

 しかし最近、娘とのふれあいで心を癒された魔王が正気に戻ってきて勇者は困っている。

 再度どこかに監禁するか、その際は娘を連れて行くか密かに悩んでいるようだ。

 扱いを間違えたら無理心中が発生しそうな案件である。

 夫婦喧嘩の度に離婚がどうのこうのという話になり、魔王城は修羅場に満ちている。

 

長女 ピリオド

 勇者と魔王の一人娘。

 顔立ちは圧倒的父親似で、髪の毛や瞳の色は母親似。黒髪黒目。

 普通に両親から可愛がられているが、最近は夫婦喧嘩の引き合いに出されて困っている。

 幼い頃から父母の欺瞞に満ちた結婚生活に薄々気付いていた。

 もしも両親が本当に離婚した場合、母にだけはついていくまいと密かに決意している。

 母親のことは大好きだが、どっちの味方かと聞かれればどう考えても父親の味方。

 (どう考えても悪いのは母親の方だろうと認識している)

 

 


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