表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小林晴幸のネタ放流場  作者: 小林晴幸
ネタの放流場
24/55

この後宮の妃で私だけが女だと陛下は知らない

 今日、仕事帰りのバス停で。

 ぼんやりしていたらなんかまた謎のネタが浮かんできてしまいました……

 おうちに帰ってから、思いついたモノを書き留めたのがコチラ。

 一体どこを目指しているのか、どんな路線に走るつもりなのか謎ですが、小林が書き出したら恐らくきっとコメディで落ち着くことでしょう。一応BL方面に走ることだけはないと断言しておきます。



 それは、絢爛に栄える砂漠の大国、ラシェント帝国の後宮を舞台とした物語。

 国土の7割が農耕牧畜に適さない砂漠でありながら、豊富な地下資源と交易の要衝であることで他に類を見ない栄華を極める帝国には、王権の絶対性と潤沢な資源にモノを言わせた後宮が存在した。

 だがしかし、若き第28代帝が即位した時、後宮は深刻な人材不足……否、国全体がどうしようもない嫁不足にあえいでいた。


 20年前から15年前にかけて近隣諸国含めた一帯で猛威を振るった流行り病は、女の子宮を腐らせ、終には命を奪うという恐ろしいものだった。病の性質上男は無事だったが、老いも若きも沢山の女が命を落とした。

 特に体力のない女児の犠牲は多く、病の終息から15年が経った今、国は若い女が不足していた。

 周辺諸国を抑えつける程に力を持つラシェント帝国の玉座に、新たに若き君主が座る。

 国の威信をかけて新しい帝王には新しい後宮(ハレム)が用意されるのが慣例なのだが、それでなくとも女不足・嫁不足が問題になっている状況だ。

 帝王に差しだす妃を重臣たちが集めようとするも、後宮に相応しい女は見つからない。

 若い女たちもめぼしい者は嫁不足にあえぐ貴族の若君たちに娶られた後、周辺諸国から求めようにも、それぞれの国でも嫁不足は深刻だ。とてもではないが自国の結婚問題で手いっぱいで、嫁を輸出するどころではない。

 この際身分には目を瞑り、民草から女を徴収しようにも、市井は市井で嫁不足。

 これで女を取られちゃたまらんと、人々は結束して女を隠し通した。

 ……余談ではあるが28代帝王の即位10年後にやたらめったら男装の上手い女たちによる歌劇集団が結成されたそうだが、それはこの時代に端を発するという。


 このままでは伝統ある後宮も、新しい時代を迎えるというのに妃がいないという事態になってしまう。

 焦った重臣たちはこの問題にどう対応するかと協議に協議を重ね、迷走し、煮詰まって血迷った。

 枯れ木も山の賑わい。(よめ)がいないなら男を入れてしまえば良い。

 誰だ、最初にそれ言い出したヤツ。

 

 しかし名案は誰の頭にも訪れず、間に合わせにその案が可決されてしまう。

 ここに、ラシェント帝国始まって以来の珍事、女装野郎どもが集うシュールな後宮が誕生してしまった。間に合わせの措置だと誰もが理解していたが、それにしたって酷すぎる。

 重臣たちも自分達の名誉にかけて、体面的にも後宮の体裁を取り繕うべく全力を挙げて「女装に耐えうる美男」を集めてしまった。後宮にいる限りは男であることを忘れ、女として振る舞うべく義務付けられた一見して女にしか見えない性別不明の野郎ども。女装野郎がきゃっきゃうふふと集う後宮。なんてやばい光景だ……男だってわからないところが更に恐ろしい。

 新帝王は、後宮に寄り付かなくなった。

 うっかり野郎を女と間違えて惚れちまおうものなら……恐ろし過ぎて、ノーマルな性癖であり続けたい帝王様は後宮に一歩も近寄れない。

 後宮の男たちは重臣たちが後宮に相応しい嫁を連れて来るごとに年長者から後宮を卒業して男に戻れることになっている。あるいは、後宮に入った男の生家が代わりになる生にe……花嫁を連れて来るか。

 後宮にいる内に帝王とお近づきになり、男に戻ったら官吏として出世したい男もいる。

 嫁がいないことに絶望して、いっそ自分が男であることを忘れて暮らしたい男もいる。

 様々な理由を抱えた女装野郎どもは、偽りの楽園でただ緩慢と無為な時間を過ごしていた。

 ……後宮に入った女装野郎どもに混じって、たった一人だけ正真正銘女の妃がいようなどとは思いもせずに。


「姫様、これはある意味で逆ハーレムだと思います。ワタクシ」

「マゼッタ……そんな面倒なものを私が望むと思って? 私はこのまま平穏であればと日々願っているの。出来れば男だと思い込まれたままの方が望ましいのよ」

「そうですわね、姫様のお望みのままに……」

「それに私がこの男の園で女だなんて知られてみなさい。周囲は男だらけなのに、私だけ女だなんてどんな目に遭うことか……」

「姫様、そのときはワタクシが全力を以て姫様に害成す男共を薙ぎ払って御覧にいれますわ」

「貴女の『死神の抱擁(ベアハッグ)』は強力過ぎて死人が出かねないわね……不穏なことが起きねば良いけれど」




クロッカ・スー・フロリア 16歳

 後宮への召集令状に素直に従って入宮した大貴族のお嬢様。

 深刻な女の子不足に加え、女児が流行り病で次々と命を落としていく状況下だった為に厄除けの意味も込めた願掛けで男の名前を付けられる。そのせいで宮殿の皆さんに男だと思われているようだ。

 別に男っぽくもない、普通に愛らしいお嬢様なのだが、周囲が美麗な女装男子に囲まれて紛れてしまっている為、ひときわなよやかな女装男子だと思われて完結している。また、クロッカの背後には常に漢女(おとめ)系侍女が控えている為、視覚の暴力であるその姿を見るに堪えかねて直視しない人が多いことも性別がバレずに済む助けとなっているようだ。

 平穏な毎日を愛おしんでおり、出来ればこのまま男だと思われて平和を甘受したいと考えている。

 後宮でたった一人の女とか超絶面倒くさそうっていうのが本音。


マゼッタ・スコルピオ 16歳

 クロッカの乳姉妹であり、屈強な漢女(おとめ)系侍女。

 正真正銘の女であり、幼少時よりクロッカに忠誠を誓う。主の敵は即殲滅がモットー。

 大貴族の女児が希少となってしまった時世を懸念し、戦時に名を馳せた元将軍である祖父に師事して体を鍛え過ぎた女戦士。おじいちゃんは孫娘が女であることにずっと気付いていなかったらしい。そして気付いた時には手遅れだった……

 13歳の時にラシェント帝国の戦士にとって挑むべき試練として推奨され、「三冠」と呼ばれる熊殺し・鰐殺し・獅子殺しを達成しており、心身ともに完成された戦士である。ちなみに殺害方法はくまさん→ハンドクロー、わにさん→チョークスリーパー、ライオンさん→正拳突き。

 前世はアメフト選手かというようながっしりした骨格に、分厚い筋肉を有した頑丈なボディの持ち主。

 某七つの傷を持つどこぞの拳法使いに後ろに立ったら超危険な殺し屋を足して割ったような顔立ちをしている。

 身長196cm、体重84kg

 

 主人公は女装男子の園に潜む唯一の女性妃クロッカさんのつもりですが、考えている内に思いのほか漢女(おとめ)系侍女のマゼッタちゃんが気に入ってしまいました。

 もしこのネタで書くとなった時、あるいはマゼッタちゃんが主人公という場合もあるかもしれません。

 

 あ、ちなみに女装男子の園が舞台ですけど、現時点で男キャラは帝王(だんな)含めて一人もどんなキャラか考えてすらいません。

 なんかクロッカさんとマゼッタちゃん考え付いたらそこで満足しちゃった、みたいな?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ