人類はとんでもないものを呼び出しました
こちらは2015年8月1日に出だしだけ思いついて、以来放置していたブツ。
ここからどうやって話を膨らませるつもりだったのかは謎。
そのせかいのまおうはテンプレだった。
だからうっかり、つけいるすきをあたえてはいけないヤツに、こういった。
「どうだ、私と手を組まぬか。貴様が我が配下に下ると言うのであれば、世界の半分をくれてやろうではないか」
こたえて、ゆうしゃはいった。
「半分とかケチ臭ぇこと言うなよ」
「は?」
まおうのめが、てんになった。
【人類はとんでもないものを呼び出しました】
――召喚魔法のご利用は計画的に。
眉を寄せ、先程聞こえたことは幻聴かと頭を振って。
眉間を押さえたまま、魔王は確認の為に再び声を放ちました。
「さあ、どうする。我が軍門にくだり、世界の半分を手にするか。
それとも無駄と知りながら勝てぬ勝負に手を伸ばし、その命を散り終わらせるか。
どちらを選ぶのだ、勇者よ」
魔王は選択肢を提示した!
a.魔王の配下になって世界の半分を手に入れる
b.魔王と戦って殺される
さあ、勇者はどちらを選ぶ?
魔王の一方的で傲慢な物言いに返ってきたのは、より傲慢な声。
確固とした揺るがぬ言葉で、勇者は言いました。
「魔王を倒して全部奪う」
「な、なんだと……!?」
勇者の強奪宣言!
さあ、どうする魔王。
お前の前にいる勇者は、強盗系の性質をお持ちのようだ。
登場人物
魔王 どこまでもテンプレを地でいく魔王様。
突発的で予想外な事態に陥るとおろおろしてしまう。
基本的に自分の職務に忠実で、性格は生真面目。応用力は低め。
勇者 魔王を倒すため、異世界から召喚された勇者。
しかし性格・能力共に最悪に外道だった。常にやりたい放題、唯我独尊。
人間たちはむしろ魔王よりもこいつに手を焼いているのが現状である。
神官 勇者を召喚した神殿の、下っ端神官。勇者のお目付け役。
神殿の上層部に厄介すぎる勇者の面倒を押し付けられる。
ストレス性の胃痛に悩まされる度、回復魔法で自力治癒している。
段々勇者といて神経がマヒしてきたらしい。心身ともに丈夫で長持ち。
王子 このままでは勇者に世界を滅ぼされてしまう、と危惧した王国上層部の使者。
勇者のお目付け役だが、誠実な人柄が災いして勇者に決闘を申し込む。
汚い手で気絶させられ、うっかり奴隷商に売られるが自力で帰って来た。
今も勇者と行動を共にしているが、売られて以来、首輪が外れない。
妖精 勇者によって妖精郷が滅ぼされかけた時、生贄として上納された小妖精。
勇者への供物に選ばれるだけあって妖精郷屈指の実力者(魔法の使い手)。
しかし勇者には片手で捻られた挙句、ちょっと便利なチャッカマン扱いされている。




