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不器用な俺。  作者: sprint
26/27

第二十四話:待ちに待った消灯時間!

風呂も夕飯も特に大きな出来事もなく終わった。




相変わらず牧野はうるさかったけど。

まぁ、たまにはいいだろう。



香織たちも香織たちで楽しくやってるみたいだし。





いよいよ消灯時間。

林間学校や修学旅行と言ったらこれからが楽しみの一つだろう。


布団を敷き、とりあえず寝る準備は終わった。

先生達に怒られないための建前でしかない。


「何する? 何する?」


ワクワクした目でみんなに呼びかけるのはやはり牧野だった。



「あ、わりぃ。ちょっとメールチェック。」



徐に鞄から携帯を取り出す翼。

もちろん許されているはずがない。


まぁ、俺たちの間では「暗黙の了解」みたいになっちゃってる。

本当はよくない雰囲気なんだけどね。


とか言いながらちゃっかり俺も持ってきてるから人の事はいえない。


少しの間みんなでメールチェック。



「なんだよなんだよ。みんなして携帯いじっちゃってさー。」


持ってきていない牧野が不貞腐れて拗ねている。

本来ならばこいつが正しいのだけど。




俺もなんだかんだ言ってメールチェック。

香織から一件。

業者メールが一件来ていた。


「さっきの声、竜二?! びっくりしたー。罰ゲームか何かだろうけどもうやめてよね!? ずーっと冷やかされっぱなしだったんだからー・・・。」




やはり聞こえていたらしい。

・・しかもちょっと怒り気味だ。

そりゃあんな事されれば誰だって怒る。


丁寧に謝罪の言葉を入れて返事をしておいた。




全員メールチェックは終わった。


「よしっ! 何するー?」


端っこで拗ねていた牧野が途端に元気になる。



「こういう時はやっぱ恋バナっしょー。」


今度は翼がハイテンションになる。

また彼女自慢に発展するのだろう。


「でもさー、翼と竜二は聞いても面白くなくない? みんな知ってるんだし。」


栢山が思いっきり突っ込む。

こいつは悪気があってやっているのだろうか?

しかも俺も翼と同レベル扱いだし。


俺はあいつほど彼女自慢はしていない!・・・はず。


「まぁまぁ。気にせずにやろ!」


牧野は早く騒ぎたいようだ。

うずうずしているのが目に見える。



「じゃんけんで負けた奴からな? じゃーんけーん・・・」




「ポンッ!」

負けたのは・・・。




「やった〜! 竜二の負け〜!」


大袈裟すぎるだろ、と突っ込みを入れたくなるほど牧野は騒ぐ。

というかこいつに「恋愛」の二文字はあるのだろうか?



「じゃあお惚気話をしてもらおうか。」


翼と栢山はニヤニヤとしてこっちを見ている。




「先輩! 期待してますよ!」


日高と三月も興味津々のようだ。



また俺か・・。

全員パーを出していて俺だけグー。

一人負けというのはとても惨めで無様だと改めて思い知った。


「大体、何を話せばいいんだよ・・・。」


一人でぶつぶつと呟く。




「じゃあ、俺たちが色々と質問するから答えればいいよ。」


またしてもあの「悪魔」が不気味な笑みを浮かべている。


「何を質問させてもらおうかなー・・・?」


どうやらここには眼鏡で本性を隠した「鬼」もいるようだ。



ホント勘弁してくれよ―――…












※ ※ ※









同日:就寝準備中:二階・女子部屋






「嘘っ?! さっきの本当に斉藤だったの?!」


同じ部屋の新藤先輩が驚く。


「はい・・今さっき返事が来て謝ってきました・・。」



私も相当驚いた。

だって竜二がいきなりあんな事言うとは思わなかったし・・・。

「香織」なんてよくある名前だから他の人だと思ったのに。



「ほらっ! やっぱり先輩だったじゃん! 二人とも仲良いねぇ〜! このっこのっ!」


さっきから綾香はずーっとニヤニヤしたまんま。

綾香に冷やかされて私は顔から火が出るほど恥ずかしかった。


帰ったら竜二に思いっきりばかって言ってやる〜・・。




「でも・・ちょっと羨ましいかも・・。」

天野先輩が新藤先輩の後ろで微笑む。




ちなみに私たちの部屋は私・綾香・新藤先輩・天野先輩の四人。

女子は人数が少ないから一部屋ごとの人数が少ないんだっけ。


優しくて話しやすい先輩でよかった。

一年生同士・二年生同士を決める時は自由だった。

けど一年生と二年生をくっつける時になるとくじ引きになる。


二年生のちょっとギャル系の人とか苦手だもん・・・。





「あ、そうそう。新藤先輩って堅苦しいから瑞穂でいいよ。タメ語もOk。ゆいもいいよね?」

「うん。その方がいいかも・・・。」


いきなり先輩を名前で呼ぶって・・。

しかもタメ語って。


竜二と片桐先輩はちょっと特別だけど。



「はーい! じゃあ瑞穂に唯。改めてよろしく!」


綾香の順応性が物凄く羨ましい。

でも合わせなきゃ。


「よしっ! こちらこそよろしくっ!」

「よろしくね。」


新藤せ・・・じゃなくて瑞穂と唯が大きく頷く。






布団も敷き終わったし後は消灯。

もちろん起きてると思うけど。


「何を話そっか〜?」

みんなで布団に寝そべりながら綾香が問いかける。


「やっぱ恋バナっしょ! 二人の話聞きたいし〜。」

そう提案したのは瑞穂だ。




けどこういう時ってやっぱ恋バナか怖い話だよね。



・・怖いのは苦手だけど。

遊園地ですごい事になっちゃったし。

あの時は偶然竜二の手を握っちゃって、頭真っ白になっちゃって・・。


思い切って「握ってていい?」って聞いたらOKしてくれて。

すっごく恥ずかしかったけど本当に嬉しかった。


竜二のあったかくて大きな手を握ってると安心出来たもん。






「香織っ? どうしたの?」


いつの間にかボーっとしてたみたい。


「ごめん、ちょっと考え事してた。」

適当に言い訳しておかないとまたからわれちゃう。



「そっかぁ。じゃあ恋バナしよ!」

今回は綾香を誤魔化す事が出来た。


綾香、鋭いからいっつも竜二の事考えてるとばれちゃうんだよね。




「誰から始める〜? たまには唯から?」


「えっ? 私から??」

明らかに動揺してる。


恋してるんだ。

なんか後輩の私が言うのも変だけど、可愛い。



「いやいや、ここは言いだしっぺの瑞穂からでしょ〜!」

綾香がさっき私に向けたニヤニヤを瑞穂に向ける。





「もう! しょうがないなぁ・・・。内緒だよ?」


「はーい!!」





こうして私たちは恋バナをする事になった。





・・・瑞穂と唯の恋バナ、ちょっと楽しみだな。






悪い子の集団でごめんなさい^^;

初めて香織視点で書いたと思います。

なので可笑しな点も多々あるかと(汗


少しの間竜二と香織の視点を分けて書きます。



次は瑞穂の恋バナから・・・。

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