第7話 やっぱり
短いです、すみません・・・
その後、師匠ことサンザークさんはシシブ支部長と大事な話があるとのことで支部長室に入っていき、その間にノブは冒険者登録をする。猛ダッシュおばちゃんはハッスルしすぎてダウンしている為、別の人が担当に代わっていた。担当の女性は髪が長く、顔は美人だが、スタイルはちょいと太めだった。ノブは冒険者とギルドについて説明を受ける。ギルドに冒険者として登録すると10級冒険者となり、依頼を受け、報酬をもらう。依頼主はは国や領主、商店、個人、その他団体と多岐にわたる。依頼はその難しさに応じてギルドが級を決め、自分の等級の1つ上の等級まで受けることが出来る。昇級は1ヶ月に1度昇級試験があり、ギルド職員との面接、1つ上の等級者との模擬戦で一定の評価がなされると即日昇級する仕組みになっている。等級は登録時に渡されるギルドバッジに刻まれ、冒険者は必ず装備しておかなければならない。これは上級者と下級者とのいざこざを無くし、上級者への憧れを強め、自分たちもあれをつけたいと思わせる狙いがあるのだという。
「ここまでは大丈夫?」
「はい、なんとかついていってます」
「じゃぁこれから登録の事務手続きに入るわね。ノブ君、自分の宝石を出して」
「・・・・・・・・・持ってないです」
「持ってないわけないじゃない。冗談はいいから、出さないと冒険者登録できないわよ」
「・・・・・・・・・持ってないです」
「だから、持ってないわけないじゃないって!自分の宝石がなくなるはずがないんだから!」
「・・・・・・・・・持ってないです」
「だかーら、さっさとお前の宝石だせ!」
「言動が盗賊じゃないですか!それはもう、こっちは恐怖で固まってしまいますよ!宝石、宝石って言われてもこっちは宝石なんて持ってないんですよ!」
「おいおい、何さわいでんだよ!?」
ノブと受付嬢が騒いでいるとシシブ支部長との話が終わった、サンザークがやってきて仲裁に入る。
「あっサンザークさん、このおねーさんまるで盗賊ですよ!宝石出せって・・・そんなもん持ってるわけないじゃないですか!」
「・・・・・・・・・・・・・・・はははは、そりゃ無理もねーかノブは記憶喪失で何にもわかんないんだったよな。自分の宝石っていうのは生まれた時に誰もが手に握ってくる石、マジックジュエリーの事なんだよ。お前も持っているはずだぜ。マジックジュエリーは無くしても必ず自分の元に戻ってくるからな」
「だから、サンザークさん!そんなもん、持ってるわけ・・・・・あっ持ってる宝石・・・」
とノブはサンザークから借りているカバンからレインボーダイヤを出し、サンザークにだけ見せる。すると、それを見ていたサンザークは息を飲む。
「サンザークさん、たぶんこれが僕のマジックジュエリーですかね?」
サンザークは石を見て、少し動揺をしたがすぐに平静を取り戻し
「・・・あぁそれがお前のマジックジュエリーだ。それにしても虹色か・・・これは困ったな・・・ノブ、予定変更だ。冒険者登録はお前をもう少し鍛えてからするぞ」
「えーーーーーー!」
「思ってみたら、お前みたいなひよっ子が冒険者になった瞬間に死んでしまうからな」
「えーーーーーーーーー!」
「まぁそういうことだから、お前は1階のソファーに少し座って待ってろ。俺はおっさんにまた、しばらく帰らないと伝えてくるから」
そう言うとサンザークは支部長室に向かい、ノブはソファーでこれからの事を考える。
『異世界の定番、冒険者になってこれから頑張るぞってとこだったのに・・・やっぱり異世界は甘くない』
しばらくするとサンザークが降りてきて、ノブとサンザークはギルドを出る。