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Jewel Sword(ジュエルソード) ~笑顔は力なり~  作者: 寺門文珠
第1章 異世界は甘くない
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第2話 異世界は甘くない

 ノブは目を開け、周りを見渡し1番に思ったのは

『あの神、名前が『ワシ』だったんだ、子どもが自分のことを名前で言う感じかー・・・・・ハゲイケメンで自分のことを自分の名前で呼ぶ地球の神かー、人間ならいろんな意味でやばい人だね』


 そして、2番目に思ったのは

『なんで、目を開けてんのに真っ暗なの?すごく、怖いんですけど』


 3番目に思ったのは

『異世界は、甘くないな〜』


 ノブはしばらくボーっとたたずんでいると段々と目がなれ、暗いながらも前が見えはじめる

「ほほは、ほうふつはな〜・・・・オエッ」

ノブはしゃべろうとしてもうまく喋れず、口の中にあったものを吐く出す。

「あぁこれ、貰ったんだった」

と地面に落ちた、薄く虹色に光る宝石を拾う。

「やばい、よだれでベタベタで土がついちゃった」

服で土を拭き取り、じっくりと宝石を眺める。

「めっちゃキレイや〜ん、この世界じゃぁ宝石が大事なんだっけ・・・・・って事は高く売れるってことかな?売る前にここで死にそうだけども、まぁここに居たら確実に餓死するから前に進むしかないよね」


 ノブは宝石を制服の胸ポケットに入れ、手を前に出し、頭をぶつけないよう低い大勢を取り、足元を確認しながらゆっくりと歩みを進める・・・・・・・・・途中、休息をはさみながらひたすら歩く・・・・・・・・




 「いやいや、結構歩いたよ、2時間は歩いたよ、こんな暗い所1人ぼっちでたった2時間歩いただけでも心くじけちゃうよ」

と弱音をはきながらも歩みを止めず、歩き続ける・・・・・・・・・・・・・・すると、曲がり角を曲がった先に小さな光が見える。

「ひかり?光?光だー!!!」

ノブは歩みを早め、光のする方へ急ぐ、そして、光の元たどり着くとそこは外ではなく、石が光を発している20畳程の空間があった


「出口じゃない・・・・み、水ーーーーー!」

ノブは出口ではないことにショックを感じながら、水があった事に喜びを感じながら水が溜まっている泉へと行く


「水だー、待て待て、落ち着くんだ・・・透明度OK、ゴミなし・・・頂きます」

はじめは手に救って飲もうとしたが、手が汚いことに気が付き、泉で洗えば水が汚れる為、手をつき犬の様に飲み始める・・・ゴクゴク・・・ゴクゴク・・・ゴクゴク・・・ぽちゃん・・・ゴクゴク・・・


「なーーーーーー!宝石が落ったーーーー!!!!どうする?どうする?泳ぐ!潜る!拾う!」

ノブは服を急いで脱ぐ、パンツも脱ぐと泉へと飛び込む。


「冷たっ!!」

1秒で出てきて、震えながらぼやく

「罰ゲームじゃん、おじいちゃんだったら確実に死んでたよ‥‥」

少し休憩後、再び泉へと入っていく、今度はゆっくりと水の冷たさを段々と身体に慣らしていき肩まで浸かると息を大きく吸い込み、一気に潜る、途中鼻を抑え耳抜きをして泉の底に到着する。、泉の底まではおよそ5、6メートル、浮力で浮かないよう地面にあった棒のようなものを掴みながら、宝石を探す・・・・・



『あった!良かったー!』

と思った矢先、掴んでいた棒が抜ける、浮力で浮いてしまう前に急いで見つけた宝石を握り込み、浮上しようとするも急に水が渦を巻きはじめノブの体は渦に飲み込まれていってしまう。左手には宝石、右手には焦って手に持ったままの棒をみたいなものを持ったまま・・・・・・・・・・・・・『死んだーーーーーーーーー!』・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・






 時間にして30秒、ノブの体は水流になすがままの状態っだったが水流の勢いが弱まり、水面へと浮力によって体があがっていく。

「ぷはーっ!!生きてる!地面どこ?地面地面!」

と水面から顔を出し、大きく息を吸い込む、そして周りを見渡し、地面を探すとすぐ5メートル先に地面を見つけ、泳いで地面にたどり着くと疲れと恐怖からぐたっと横たわる。


「ハーハーハー、死ぬかと思った、絶対に死んだかと思った・・・・・・・」


 しばらく横になったまま息を落ち着かせるとノブはムクっと起き上がり、状況を確認する為、周りを見渡す。

「森かなー、洞窟は脱出できたけど薄暗いし怖いのは変わりないね」

そして次に左手を開き宝石を持っている事を確認する。

「良かったー、これで宝石がどっかにいってたらショックで立ち直れなかったな」

そして、右手を見ると泉の底で握っていた棒が目に入る。

「焦って持ってきちゃったなー、これが抜けからあの水流がおこったのかな?」

と棒をマジマジと見ているとある事に気が付く

「これ、棒っていう刀?」

持っていた刀?は茶色く錆びてはいるものの刀としての原型はたもっている

「んーーーーー」

ノブは考える・・・・・・・・・・・・・



「錆びてるし、穴開いてるし、重いし・・・・捨てよう!」

と決意し立ち上げって左手の棒を利き手の右手に持ち替え、槍投げの要領で森へ投げようとすると川向こうの森からガサガサッと音がする、ノブは投げるのを止め、振り返り川向こうに目を向けると人の形をした何かが見える。


「人?人だ!ん?」

約身長2メートルはあろうかという巨漢、その巨漢がゆっくりとした動作で手に持った弓とおぼしきものを構え、こちらに向ける。


「ウソ?ウソウソ!待ってください!落ち着いてください!決して怪しいものではありません!!!!!!!!」

ノブは両手を挙げ、必死に大きな声で自分が危険ではない事を伝えると巨漢は弓を射る格好のまま初めて口を開く


「動くな!真っ裸で何が怪しいものではないだ!!森で裸、誰が見ても怪しいじゃないか!!!!」

太めの声が森に響く・・・・・・・・・・・・そして、ノブは意を決し叫ぶ


「頭を射って、殺してください!」


 地面にあがってからの行動を思い出し、名探偵のごとく水流の発生原因を考えたり、宝石を持っていたことに安堵したり、知ったげに棒を刀と見破り、その刀を槍投げの要領で投げようとするまでのことを思い出し、それが全て真っ裸で行っていたという事に恥ずかしさのあまりに心から出た言葉だった。巨漢はポカンとした様子で見ている、ノブは続けざまに土下座をし、泣きながら


「後生です〜」

と頭を下げ続ける・・・・・・「はっはっはっはっはっはっはーっ!!!!」

と近くから太い笑い声が聴こえ、ノブは頭を上げると向こう岸に居たはずの巨漢はノブの目の前に来て笑っている、そして続けて

「お前はめちゃくちゃ怪しいやつだが、悪い奴には見えんな、こんな所で何やってんだ?裸で」

ノブは巨漢の顔を見る、顎髭ともみあげが引っつき、頭はハゲ、顔つきは山賊イメージそのもの、2メートル級の怪物おじさん・・・・・ノブは一旦気絶する。


 しばらくたち、目をあけると巨漢山賊は火をおこしている・・・・


「食べないで〜〜〜」

と泣きそうな声で言ってみる。


「起きたか?相当疲れていたんだな、まぁこっちに来て、火にあたれ」

ノブは気絶中に体にかけてもらったと思われる毛布的な物でモノを隠しながら巨漢山賊の所へ行く


「来たか、まぁここへ座れ・・・・んで起きて早々悪いが、なんで裸で森なんかに居たんだ?」

 ノブは少し考え、正直に言っても信じてもらえなさそうなので記憶を失った青年を演じることにし、口を開こうとすると、巨漢山賊が一言

「記憶喪失でわかりません!なんて言わないよな?」

「記憶喪失でわかりません!」

「言うんかいっ!」

「正直に言いますと気が付いたら、洞窟の中で何もわからない中歩いて泉を見つけて水を飲もうとしたら大事な物を落として拾おうと裸になって潜ったら渦に巻き込まれて、水から上がったら、弓で狙われて、気絶して現在に至るです、それ以上の事は何も覚えてないんです・・・」

「んー、お前の言う事にウソはなさそうだな・・・それで、お前の手に持ってるものは何だ?気絶しても手から離そうとはしなかったから大事な物なんだろ?」

ノブは正直に言っていいものかわからず、少しの間考える。


「まぁ言いたくないなら、俺も無理に聞かねーよ、それよりもっ腹減ってだろ?さっきから腹が鳴ってるぜ、たいしたものは無いがこれでも食え」

とお肉的な物が挟まれたサンドイッチ的なものを手渡される。


「色々ととすいません・・・・・頂きます」

ノブはサンドイッチ的なものにパクっとかぶりつく


『っまっず!!!ヤバい、パン硬い、肉臭い!』

「どうだ?」

と巨漢山賊が顔を覗いてくる


「めちゃくちゃ美味しいです〜」

「だろう、うちのかーちゃんが作ったサンドイッチは世界では一番美味いんだ」

「・・・・・なるほど」

「っで、これからお前はどうすんだ?」

「全く何も考えてないですねー、ここが何処かもわからないですし、っておじさんの名前も知らない・・・」

「あぁすまんすまん、自己紹介がまだだったな、俺の名前はサンザークって行って、冒険者ををやってる」

「・・・なるほど(サンザーク・・・ほぼ、サンゾクじゃん)」

「お前は名前は覚えてんのか?」

「あっムト・・・ノブって言います」

本名を言うのも話しがややこしくなる為、ノブと教える。


「そうか、ノブか。じゃぁノブ、行くあてもないって言うなら俺の手伝いをしないか?ちゃんと金も出すぜ・・・あっあと、服もな」

「神様ー、サンザーク様ー、何でもしますー」

ノブは考えることもなくサンザークの提案に乗ることにした

「よしっ!そうと決まったらお前は休め、明日からしっかりと働いてもらわんといけんからな、今晩は俺が見張りをしてやる」

「見張り?」

「当たり前だろ、魔物も出るし、山賊も出る」

『魔物?山賊?山賊っぽい人はここに居るけど』

「まぁ安心しろい!何が来ても俺が居るからな!」

「それは納得!おやすみなさい」

と肌が地面に当たらないよう毛布的なものでからだを巻きつけミノムシのようになって横になる。横になり目をつむると疲れが溜まっていたのかすぐに睡魔がやってきて、イビキをかいて寝始める。


「はえーな、まぁそれほど疲れてたってことか・・・しかし、とんでもないやつを拾ったのかもな・・・明日から色々と大変だぜ」

サンザークは独り言を言い、長い夜をこれからのことを考えながら過ごすのであった。



不定期投稿ですが、更新頑張りますー、、、、

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