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6話「ごめんなさい」

豚肉の■■■煮込み


投稿日:2024年10月05日 


材料:


豚肉(部位は問わない):200g


大根:1/4本


人参:1/2本


味噌(できるだけ濃いもの):大さじ3


■■■■:適量



代わりの記憶:交換してもよいもの


手順


1 豚肉は食べやすい大きさ(3〜4cm角)に切ります。大根は皮をむいて2cm厚の半月切り、人参は乱

  切りにします。


2 鍋に水(分量外・具材がかぶる程度)を入れ、豚肉を加えて中火にかけます。沸騰してきたら弱火に

  し、丁寧に灰汁を取り除きます。


3 灰汁を取り終えたら、大根と人参を加えます。弱めの中火で10分ほど煮て、野菜に軽く火を通しま

  す。


4 煮汁をお玉で少量取り、別容器で■■■■を溶きます。完全に溶けたら鍋に戻し、全体をゆっくり混  

  ぜ合わせます。


5 味噌も同様に、煮汁で溶いてから加えます。直接入れず、必ず溶いてから戻します。


6 弱火に落とし、蓋を少しずらしてのせた状態で20分ほど煮込みます。表面が静かに揺れる程度の火

  加減を保ちます。


7 途中で一度、鍋底からすくい上げるように優しく混ぜます。具材が崩れないよう注意してください。


8 豚肉が柔らかくなり、大根の中心まで味が染み込んだことを確認します。


9 火を止め、5分ほどそのまま置いて味を落ち着かせます。


10 器に盛り付け、煮汁をたっぷりとかけます。


11 湯気が立ちのぼるうちに食卓へ運びます。


12 最後に、交換してもよい記憶を静かに思い浮かべながら、ゆっくりと食事をしてください。



注意点


この煮込み料理には、特異な性質があります。

本品を完食した場合、あなたがあらかじめ思い浮かべた「交換してもよい記憶」と、同じ料理を食べた別の誰かの記憶が相互に入れ替わります。


交換は、この料理を介した者同士でのみ成立します。対象は過去・現在・未来を問いません。差し出す記憶は、幸福な体験や些細な日常など種類を問いません。また入れ替わる記憶の内容は選択できません。


交換は不可逆です。一度失った記憶は戻らず、新たに得た記憶も完全に自分のものとして定着します。


もし受け取った記憶を再び手放したい場合は、改めてこの料理を作り、別の記憶を差し出すことで再交換が可能です。


本料理は、味覚と引き換えに記憶を扱う媒介であることをご理解ください。



レビュー


★★★★★ 「最高でした(笑)」投稿者:名無しさん 2024/10/21


 マジであたりでした!自分は借金の取り立てで家族を捨てて逃げ出した夜の記憶を交換としてだしたんよ

そしてこっちにきたやつは、前の記憶の持ち主の彼女とセックスしている記憶に当たりました。マジでえrrrっっろかったす!!!!!wwwwww

彼女のおっぱいの柔らかさ、ふろの石鹸の匂い、耳元で聞こえる喘ぎ声まじでよかったわwww

食べ終わったとき、興奮しすぎて射精してたもんwww

こんな当たりがあるなら、なんかいでもやるわwwwwwww



★★★☆☆ 「つまんなかった」投稿者:名無しさん 2024/10/21


 なんの面白味もない記憶でした。ただ、どこかの高速道路を延々と走っているだけの記憶。数時間分、ひたすら夜の高速道路を見ているだけ。音楽もかかっていないし、会話もない。

せっかく交換するならもっとおもしろいやつが良かったです。他人のドライブレコーダーを脳に直結されたような、なんもいえない記憶でした。



★★★☆☆ 「微妙な気分」投稿者:名無しさん 2024/10/23


 前の記憶の持ち主が、どこかのコンサートホールでお笑いをやっている時の記憶でした。舞台袖で出番を待つ時の心臓の鼓動や、スポットライトの熱さは凄かったんですけど、ネタが致命的に面白くない。

ところどころパラパラと笑い声は聞こえるものの、基本的には客席が冷え切っていて……滑っている間のあの「胃がキリキリするような空気」がダイレクトに伝わって共感性羞恥心?でちょっと辛かった。追体験している自分までスベっているような、何とも言えない居たたまれない気持ちになりました。



★★★★☆ 「得しちゃいました!」投稿者:ゆいまる@料理研究家さん 2024/11/18


 まさか、自分が見たことのない映画の記憶が届くなんてびっくりしました!しかもその内容が本当に面白いんです。壮大なSFファンタジーで、世界観もストーリーもすごく作り込まれていて、ラストの伏線回収には思わず「わぁ…!」と声が出てしまいました。

まるで映画館で一本しっかり観てきたみたいな満足感で、とってもお得な気分です。映像の色味や音楽の雰囲気までちゃんと残っていて、余韻にひたれる感じが嬉しいですね。

ただ、タイトルが分からないので家族や友達にこれおすすめ!って言えないのがちょっともどかしいです(笑)。

でも、こんな素敵な体験ができるなんて、本当に驚きました!



★☆☆☆☆ 「ごめんなさい」投稿者:このユーザーは既に退会しています。2024/12/24


 ごめんなさい。何を見たのかは書けません。書こうとすると、その前に体が拒否するんです。だから、内容じゃなくて、どれだけ気持ち悪かったかだけ聞いてください。あれは怖いとか、そういう種類じゃないんです。見た瞬間、胃がぎゅっと縮んで、喉が勝手に閉じて、息がうまく吸えなくなりました。考えるより先に、体が「無理だ」って言ったんです。頭じゃなくて、内臓が拒否しました。


 形がどうとか、色がどうとか、そういう説明できる気持ち悪さじゃないんです。ただ、存在の仕方が間違っている感じでした。そこにあるだけで、だめなんです。理解しようとしただけで、脳の奥がざらっとする。見ちゃいけないものを見たというより、触れちゃいけないものが目から入り込んできた感じなんです。視線をそらしたのに、勝手に戻るんです。焦点が吸いつく。まばたきしても消えない。ほんの数秒だったはずなのに、ずっと続いているみたいに長く感じました。時間がねっとり伸びて、その場に縫い付けられたみたいでした。


 あの光景を思い出すと吐きそうになります。でも吐きそうなのに吐けないんです。お腹の奥が冷たくなって、背中の内側がぞわぞわする。皮膚の下を何かがうごくみたいな錯覚がして、思わず腕をこすってしまう。でも何もないんです。何もないのに、内側がざわついて止まらない。自分の体が、自分のものじゃなくなる感じ。血の流れまで変わった気がするんです。心臓の音がやけに大きく響いて、それがまた気持ち悪い。


 怖いものを見ただけならまだいいと思います。見ただけなら逃げられる。でもこれは記憶なんです。逃げ場がないんです。目を閉じても終わらない。まぶたの裏に貼りついているみたいで、あのときの質感まで変わるんです。何も見えていないはずなのに、嫌な感じがじわっと広がる。思い出しているんじゃないんです。体が勝手に認識してしまう。体が覚えてしまっているんです。


 あの光景そのものよりも、そのとき感じた気持ち悪さが残っています。粘つく感じ。自分の常識が気持ち悪い方向に溶けていく感覚。自分がちゃんとここに立っているっていう感覚が、無くなる。それが一番気持ち悪いんです。自分の目で見ているのに、自分の目じゃないみたいになる。その違和感が消えないんです。


 時間が経てば薄れると思っていました。でも薄れません。部屋が静かな瞬間、朝起きた瞬間、あの光景が蘇る。体が先に反応するから、心の準備ができないんです。急に呼吸が浅くなって、胸が苦しくなって、自分がおかしくなったんじゃないかって思う。このままでは耐えられません。抱えたまま生きていく自信がありません。だから、また作ります。


 こんな記憶を、また誰かに渡そうとしている自分が嫌になります。ごめんなさい。分かっています、押し付けているだけだと。それでも、耐えられないんです。ごめんなさい。本当にごめんなさい。こんなものを、また外へ出そうとして、ごめんなさい。私は、もう忘れたいんです。ごめんなさい。



だから、この記憶に当たった人は、本当……ごめんなさい。



こんなものを押し付けて、本当にごめんなさい。






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