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光の世界  作者: 藤森優斗
11/12

記念碑に偽物の花束を

何十年も前に戦死した女の子達

彼女達の為に造られた記念碑に花束を捧げる

嘘泣きにも慣れた僕達だから

偽物の花束を彼女達に捧げよう


何時間か前に病死した子供の親

幻になった命を悔やんで涙を流すよ

気持ちの切り替えは早い僕達だから

二週間とすれば笑顔で暮らすよ


朝方のニュース、行方不明の女子高生

もう一ヶ月も経ってんだから

きっと死んでるんだろ……。


命の儚さを知っていくのに 命の尊さには鈍感な僕達だ

テレビ出演が夢だったんだろ 叶えたんだからいいじゃないか……。


五分後の僕はずっと死に近付いただろ

三日後の僕はそっと死に手を掛けただろ

終わる事を知ってる僕達だから

頑張れる分、とても怖いんだ……。


夕方のニュース、バラバラ遺体の女子高生

だから言ったんじゃないか

死ぬ事は予想つくんだよ……。


神様に縋るのが僕達の最終手段だ

生命を食べるのが僕達の生活習慣だ

嘘泣きにも慣れた僕達だから

全ての生命に捧げる偽物の花束


命の儚さを知っていくのに 命の尊さには鈍感な僕達だから

用意されたレールを歩く そして死に向かう平凡な人生だ


全ての生命に捧げよう

嘘泣きで贈る偽物の花束を



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