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アタシの本当

「フフフ、ハハハ。リュー、さすがね。そうよ、アタシがアンジェルモアよ。」


「!?」


 サンラザル大陸最大の県、ルナールの大王の突然の登場に、皆驚いた。今までトープ県の王妃として生きてきた人物が、その大王だと言うのだ。


「一週間後の和平会議の時にはアタシが正体を明かさないわけにはいかないわ。ここにいる皆さんには、少し先にお知らせすることになったわね。


まず何から話すのが良いかしら?今回の戦はアタシが考えられうる選択肢の中で、最も被害が少なくセルポンの軍事政権を倒す事ができるシナリオだったの。『雨がアリッド空洞の周辺で降れば銀竜は出てこない。シャモとの不可侵条約を結んで強力になっていくトープを手に入れるのは今しかない。』と、アタシはガルガリオンに吹き込んだのよ。アタシにはアタシが士官学校に通っていた時からずーっとアタシを演じている影武者がルナールにいてね。彼女がアタシの代わりにうまく説得してくれたわ。」


「影武者って、、、よくそれでルナールの政治が回っていましたね。。。」海賊アリアが言う。


「アタシの優秀な側近がアタシを支持し続けてくれたのよ。アタシの両親、つまり前国王と全王妃は確かに中央都パレでガーゴイルハンターの資格を得た二人組だったの。リューの一家がスライムハンターであり続け、スライムからこの大陸を守る使命があるようにアタシの家はガーゴイルから大陸を守る使命を持っているの。アタシのパパとママは異形(モンスター)によるサンラザル大陸の危機に対応しなければいけないと言って、中央都パレに篭りがちになり、ルナールの政治を彼らの側近とアタシに任せたの。アタシはその時は13歳だった。。。でも側近が優秀だったからアタシは1から政治を覚えてルナール県を安定して治める事ができた。そしてアタシが15歳歳の時にパパとママは、恐らく中央都パレのどこかで行方不明になり、アタシは正式に即位し、20歳まで大王として君臨した。


アタシ達は仕方なく、ガルガリオンの率いる軍事政権と表面上同盟を結んだわ。ルナールがやられないためにはそうしておくしかなかったけど、将来的には、この大陸のためにはそれを打倒しなければならないのはわかっていたわ。


20歳からのアタシはあなたが知っての通りよ、リュー。両親と同じガーゴイルハンターになるべく、サンセール士官大学校のガーゴイルハンター科に通った。アタシはアタシでガーゴイルハンターになることで両親を見つけ出せると思っていたし、今も思っているの。そしてそれが異形(モンスター)から大陸を守るのに決定的な事だと予想している。


アタシの家は皆、サンセール大学校でガーゴイルハンターになる定めなので、家を三年空けたのは既定路線だった。だけどトープに居続けるのは困難を極めたわ。側近達との手紙のやり取りで、トープでの生活開始から最大で三年は、居続けても良いってことになったけど、大変だった。アタシ自身のこととか、セルポン軍事政権への対応などのルナールで政治で重要な事は伝書鳩を使ってやりとりしていたわ。電話なんて便利なものがあるのは中央都パレだけだから。」


「僕との出会いは、どう捉えていたのですか?」


「本当にごめんなさいね、リュー。あなたとビノームになったのは、必然的なことだったの。ルナールはパレにすごく強い影響力があってね。トープ県の皇太子がやってくる事は事前にわかっていたの。ガーゴイルハンター科 学科長のエレオノーラとはグルでね、あなたとアタシで二人組(ビノーム)を組ませてもらったわ。


だからあなたと最初に会った時のやり取りは、彼女とやっていた演技だったの。最初は、あなたについてはアタシとあなたとの格の違いを見せつけ、服従させ、屈服させて、最後はルナールに強制的に連れていくような算段があったのよ。そうすれば、あなたを人質にしてトープにルナールに協力するよう圧力をかけ、セルポンの軍事政権を東西から挟み撃ちにできたからね。あなたがもし月並みな人だったらそうする予定だった。


ところがあなたは、アタシが驚くほど素敵な人だった。奢りがなくて、努力家で、なんかガーゴイルハンターとしても急成長して、アタシのことを本気で助けてくれて守ってくれて気にかけてくれて。。。アタシはあなたに恋してしまったの。だから婚約は本当に嬉しかった。だから最初描いていたことは違うやり方で、トープの王妃としてトープを盛り立てて、セルポンも打倒し、最後はルナールの大王としても復帰する。そう誓って今まで生きてきたの。」


リューは、ミレーヌを抱きしめた。


「ちょっ、リュー。アタシはあなたを騙していたのよ。」


「今まであなたがどれだけ大変な思いをしてやってきたことか、アンジェルモア。これからは、僕はミレーヌ カルノの夫であるだけでなく、アンジェルモアの夫でもあります。」


「そうよ!トープはみんなあなたをあなたとして受け入れるわ!」太后レティシアが言う。


「シャモも、もちろんそうです。」続いてカミーユが言う。


「僕たちの県はルナールと統一し、ルナール=トープ連合もしくはトープ=ルナール連合とするって言うのでどうかな?」リューがミレーヌに聞く。


「うん、アタシもそうしたい。両方がアタシにとって大切な県だもの。王位はどうしたいの?」


「僕たちずっと二人組(ビノーム)だったじゃない。双王、つまり二人が王様というのでどうかな?」


「アタシもそれがいい!」ミレーヌが喜ぶ。


 そうしてトープとルナールがくっつく前提でシャモの女王カミーユと打ち合わせをし、一週間後のセルポン県の暫定住民代表との交渉の大まかなシナリオが決まった。セルポン県は新たな指導者を必要とする住民の求めもあり、今後は他県に統治されるだろう。この流れで行くと、トープ=ルナール連合とシャモの2県に分けられるであろう。


 この会議もお開きという時に、リューが言った。


「今日はアンジェルモアの秘密を皆が知ったのですが、このチャンスに僕の方も一つ秘密を話しておきます。」


「ちょっとー、まだ秘密があるっていうの!?もう秘密は十分よ!」海賊アリアがツッコミを入れる。


「僕はあなたがあなただから愛しているのです、アンジェルモア。ですが、今まで黙っていたのだけど、僕はあなたを初めて見た時、僕はあなたに一目惚れもしていたのです、アンジェルモア。」


「!?もう!照れるじゃない、リュー!」アンジェルモアはリューに抱きついた!


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