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アタシ達の戦争 ヴァレリアン渓谷の戦い その3

銀竜(アルジョンティヌス)とリューが戦場を飛んでいく。


【一気に行くわよ!】


「敵の総大将、ガルガリオン コルドンを討ち、一気に戦闘を終結させる!」


ガルガリオン コルドンはセルポン軍後列の最後部にいる。空から見ると彼の位置は一目瞭然だ。


「ウオオオオオッ!」


 セルポン軍は前列が全ての戦闘を担っており、後列は待機の状態になっていた。無論、異変が起きれば彼らは戦闘体制に入るのだが、アルジョンティヌスの飛行のあまりの速さに対応はとてもできなかった。


【敵将ガルガリオンを踏み倒します!衝撃に備えて!】


 アルジョンティヌスはガルガリオン コルドンを踏みつけた。それが彼の最期となった。


「まだだ、銀竜よ!本陣にいる全員を討ち、敵の中枢を完全に機能不全にする!」リューが叫ぶ。


 銀竜とその上に乗るリューは一気に敵陣の側近と将たちを討ち取った。あまりに唐突で、セルポン軍の兵は対応がうまくできない。


挿絵(By みてみん)


「セルポンの兵たちよ!あなたたちの総大将、そしてその側近は我々が討ち取った!これで戦争は終わりだ!あなた達にはもう戦争を続ける理由がない。あなた達が投降すれば、あなたもあなたの家族も身の安全を保証する!」


 セルポンの兵達は、どうしたらいいかわからない。彼らは完全な思考停止に陥ったように見えた。


 その時だった。レティシア率いるトープ軍と交戦中のセルポン軍の前列部隊からのろしが上がった。


「見ろ!あののろしとあの色を!」

「黒だ!黒だぞー!」

「これは我々の全軍突撃の合図だ!」

「そうだ、突撃だ!」

「全軍突撃ー!」

「トープ軍を全滅させよ!」

セルポン軍の後列にいた兵隊達が、叫んでいる。


 コンファメーション バイアスという言葉がある。一度自分の中で結論を出したことは、それを否定する事実が出てきても、信じ続けてしまうというバイアスがヒトにはあるのだ。セルポン軍の兵士は、ガルガリオンがセルポン県で台頭してきた最初は、単に恐怖し従っていただけだった。だがそうしているうちに、自分が他の県を侵略する側の人間だと自分自身で思い込む集団幻想を抱くようになっていたのだった。その幻想が今の彼たちの結論なのだ。今、目の前でそのガルガリオンは死亡したというのに、まだそれが続いている!なんと恐ろしいことだろうか!


 こうして、約4,400 人生存しているセルポン軍の後列部隊は、現在、約1,600人のトープ軍と約2,000人のセルポン軍前列部隊が戦闘しているセナ川に向けて突撃を始めた。



「なぜだー、なぜ戦う!もう独裁者はいないのだぞ!」リューの言葉は誰にも届かない。


「、、、行こう!アルジョンティヌス!」リューは気持ちを切り替えた。


【あいよ!トープ軍の一大事!敵の後列部隊を止めなくっちゃね!】


 リューと銀竜(アルジョンティヌス)は空を飛び、前列部隊に合流しようとしているセルポン軍の後列部隊の前に先回りし、戦い始めた。


 それからリューと銀竜(アルジョンティヌス)は一時間に渡り、セルポン軍の後列部隊と交戦を続けた。リューとベルモント家の守護獣アルジョンティヌスは今、意識が一体化している。アルジョンティヌスが傷を受ければ、リューも痛みを感じてダメージを受けるし、リューが傷つくとその逆が起きる。


【痛いでしょ?】


「少し。でも、まだまだこれからです!」リューは元気を振り絞る。


-----

各軍の生存数 開戦三日目 八月十一日 13:30

トープ軍

1,050人

指揮官:リュー ベルモント、太后レティシア

うち、ロイヤルガード50人

アルジョンティヌス


セルポン軍

4,750人

前列1,250人

後列3,500人 

前列指揮官: ???

後列指揮官:なし(前列に従っている。)

総指揮官:ガルガリオン コルドンは死亡


ルナール軍 (セルポン軍の同盟軍)

5,000人 指揮官:アガサ セイエ

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【まずいわ、このペースで戦っているとセルポン軍前列部隊とトープ軍は良くて相打ちになってしまう!】


 その時だった。セルポン軍の後列部隊が急にワーワーと騒がしくなった。


「奇襲だー!」

「裏切りだー!」

「ルナール軍の離反!」


 アタカ山で待機していたルナール軍が下山を開始し、セルポン軍の後列を真横から攻撃し始めたのだった。セルポン軍は大混乱に陥っている。その混戦の中、白馬に乗った女騎士がリューとアルジョンティヌスの元にやってきた。


「あなたは、リュー ベルモント殿とお見受けする!私はルナール軍総大将、アガサ セイエである!我々はトープ軍に加勢する。ここのセルポン軍は我らに任せられよ!あなたはトープ軍を攻撃している前列部隊を倒して欲しい!」


(なんだこの展開は?こんな都合のいい話があっていいのか?ルナール軍は信じられるのか?)リューは疑う。


「ちょっと待ってください!あなたはなぜ私が、リュー ベルモントだと思ったのですか?」


「、、、、それは伝説の守護獣に乗っているからだ。」


「!?、、、なるほど。」


(彼女のこの答えはやはり怪しい、、、)


「何をしている!早く行かねば、トープ軍が全滅してしまうかもしれないのだぞ!」


 それは確かにそうだった。今は、心の底では完全にルナール軍を信用できない部分があるにしろ、この場では信じると言う意思決定をしたことにして、トープ軍の皆を助けに行くしかないのだった。銀竜(アルジョンティヌス)はリューを乗せて飛び立った。

 

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各軍の生存数 開戦三日目 八月十一日 14:00

トープ軍

1,000人

指揮官:リュー ベルモント、太后レティシア

うち、ロイヤルガード45人

アルジョンティヌス


セルポン軍

4,400人

前列1,150人

後列3,250人 

前列指揮官: ???

後列指揮官:なし(前列に従っている)

総指揮官:ガルガリオン コルドンは死亡


ルナール軍 (セルポン軍の後列を攻撃中)

4,900人 指揮官:アガサ セイエ

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