アタシと伝説の巨神兵 その5
ミレーヌの思念の世界から、現実世界にミレーヌとリューは戻ってきた。二人はそれぞれ、巨人の外に出て、とうもろこし畑に降り立った。
「ミレーヌ!」
「リュー!」
二人は抱きしめあった。お互いの無事が確認できるこの瞬間が二人にとって最高の幸せなのは間違いなかった。だが少しして、ミレーヌは向こうを向いてしまう。
「あなたが無事で良かった。でも、アタシ達、もう終わっちゃったわね。アタシが、全部をぶち壊した。」
「そんな事言わないでミレーヌ、僕を危険な目に合わせないための選択をしてくれただけなのでしょう?」
「そうね。。。だけど、あなたとの未来を選ばなかったと言う事実に変わりないわ。だからアタシ達は終わり。」
「ミレーヌ、その声、今もまた泣いてる。ずっとじゃないか、今もそうだけど、さっきドラゴンルージュに取り込まれかけた時だって。昨晩も、僕を捨てるって言いながら泣いてたでしょう?暗い森でだったから、わからないと思った?わかるよ、ずっと一緒にいたんだもの。」
「違う!リューなんて嫌い、、、嫌い、、、大嫌い!それにアタシはあなたと別れて、すぐにアンドレの罠にかかって、自分の道に行き詰まった。そんなバカな女、あなたにふさわしくないわよ。」
「それもどうかな?僕を彼から逃すって言うのを最優先にしていたと考えると、あなたはその目的をまんまと達成した事になる。物事っていろんな方向から見れるでしょう?」リューが言う。
リューは続ける。
「それにそうだな、うまくいったか行かなかったなんて所詮結果論でしょ。問題はこれからどう僕たちが生きるかって事。その将来にはもちろん成功もあれば失敗もいっぱいあるよ。今日の事を失敗と位置付けても、それはたった一つの失敗。そんな事で、僕のあなたへの気持ち、変わらないよ。」
リューはさらに続ける。
「あなたが、僕を危険な目に合わせるかも、なんてお互い様だよ。あなたがあとで話したいと言ってたから、まだ話してないことも多いけど、トープ県での来年からの新生活が危険でないとは限らないでしょう?現に、僕の父が作った巨人、ティグルブルーなんて代物がここに出てきてしまった。」
リューは向こうを向いているミレーヌの目の前に行き、片膝をつき、指輪を差し出す。
「こんな勝手な男だけど、あなたを愛しています。もう一度、婚約してください、ミレーヌ。」
「、、、はい、ありがとう、リュー、アタシも勝手な女だけど、あなたを愛しています。あなたと結婚します。」
ミレーヌは、リューとの別れの決意をのせた悲しみの涙を、歓喜の涙に変えながら応えた。リューがミレーヌに指輪をはめ終わると、ミレーヌはリューに抱きつき、あついキスをした。
「好き。大好き。」
泣きじゃくりながら、ミレーヌは、もう一度キスをする。
「怖かった。とても怖かった。。。巨人が出てきて。。。それに取り込まれそうになって。。。怖かった。。」
しばらく、そのままミレーヌとリューは抱きしめあった。
「もう、今回よりも大きな脅威が将来アタシ達に迫ってきても、絶対離れてあげないんだから!後悔するんじゃないわよ!」
ミレーヌのいつもの笑顔が戻ってきた。




